「都議選前哨戦」…白熱の千代田区長選 今度は都民ファVS自公VS維新<31日投開票>

2021年1月27日 08時00分
  国会や省庁、企業の本社が集まる東京都千代田区のリーダーを決める区長選が31日、投開票される。コロナ禍で街頭の大集会が自粛されているが、夏の都議選を見据えた各陣営の思惑が絡み、静かで熱い前哨戦となっている。(浅田晃弘、松尾博史)

◆前回は小池知事VS自民都連の「代理戦争」

 前回の区長選は、小池百合子都知事と自民党都連の「代理戦争」と呼ばれた。小池知事は現職の石川雅己区長を応援し、地域政党「都民ファーストの会」がけん引。小池知事の政治塾を母体に誕生した都民ファにとって初の選挙だった。石川区長は自民推薦の候補に3倍の票差で5選を果たした。都民ファは半年後の都議選に弾みをつけ、自民に代わり都議会最大会派に躍り出た。

候補者の出陣式でソーシャルディスタンスを呼び掛ける関係者=24日、東京都千代田区で(一部画像処理)

 石川区長が引退表明し、任期満了に伴う今回の選挙では、元都議の樋口高顕さん(38)が都民ファ推薦で出馬。前回の都議選では、1人区の千代田区で自民候補との対決をダブルスコアで制している。都民ファ代表の荒木千陽都議は「都議選の前哨戦として古い政治からの脱却をアピールする」と意気込む。

◆千代田区から巻き返し図る都民ファ

 都民ファは昨年の北区の都議補選では、公認候補が自民候補に大差で敗れた。小池知事との「人気格差」が言われ、離党者も相次ぐ。躍進のシンボルとなった千代田区から何としても巻き返しを図りたい。
 北区の都議補選は都知事選と重なり、小池知事は一度も応援に入らなかったが、大学生の時から小池事務所に出入りしていた「愛弟子」の樋口さんの応援には熱心。告示日の24日の出陣式に駆け付け、26日も車上から応援演説をして回った。

候補者の出陣式の会場でソーシャルディスタンスを呼び掛けるポスター

 自民は、元千代田区議の早尾恭一さん(59)を擁立。石川区長が一般販売されていないマンションを優先購入していた問題で、議会の百条委員会の委員長を務めた。出陣式で都連幹事長の高島直樹都議は「混乱した区政を正すために働く候補者」と持ち上げた。ただ、都議選を意識した発言はなく、別の都議も「区長選と都議選は違う」と、前哨戦と呼ばれることを嫌った。

◆足並み乱れた地域組織の立て直す自民

 千代田区で区長選、都議選と連敗した自民は、都民ファの参戦で足並みが乱れた地域組織の立て直しが急務となっている。
 前回は自主投票だった公明は早尾さんを推薦。都議選で行った都民ファとの選挙協力はその後、解消している。公明都本部代表の高木陽介衆院議員は「自公連立政権の下、千代田でも連携する」と強調した。
 土壇場になり、日本維新の会が「都民ファ対自公」の対決に割って入った。告示日の2日前、会社役員の五十嵐朝青さん(45)の推薦を決めた。五十嵐さんは前回に続く二度目の挑戦。共産が「自主的支援」を表明している。

ソーシャルディスタンスを呼び掛けて会場を回る関係者

 維新は、昨年の都知事選で推薦した小野泰輔元熊本県副知事が61万票を獲得した。都心部で強く、都議選は20人の候補擁立が目標。地方組織「東京維新の会」代表の柳ケ瀬裕文参院議員は「千代田は重点地域。競合するのは都民ファだ」と対抗心を燃やす。
 千代田区長選にはこのほか、会社員の宮田朋輝さん(26)が立候補している。
 千代田区は昼間人口は約80万人に上るが、住民は東京23区最少の約6万7000人。有権者数は約5万4000人。

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