<コロナと生きる@いばらき>広がる電子図書館 笠間にオープン 感染リスク軽減で

2021年1月27日 07時53分

オンラインでさまざまな書籍の貸し出しができる電子図書館

 新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、インターネット上で電子書籍を貸し出し、パソコンやスマートフォンで読むことができる「電子図書館」の導入が県内で相次いでいる。従来の図書館のように人と接触することがないうえ、紙の書籍にも触れず、感染リスクを抑えられるからだ。笠間市でも電子図書館がオープンし、早速多くの市民が利用していた。 (出来田敬司)
 電子図書館は、実際の図書館を訪れることなく書籍を貸し出す。二十二日にスタートした笠間市の場合、ポータルサイトに利用者IDとパスワードを入力すると、「歴史」「芸術・美術」などのジャンル別のほか、さまざまな特集、新着図書などのおすすめが表示され、お目当ての図書を探すことができる。
 市では、貸出期間を二週間に設定し、二点まで借りられる。延長の申し出がない場合は、二週間を過ぎると自動的に返却され、読めなくなる。
 利用者にとっては、図書館に返却しに行く手間が省け、交通手段を持たない高齢者や子どもも手軽に利用できる。図書館にとっても返却を催促する必要がないほか、書棚や書籍を消毒する手間がかからないなどの利点がある。
 また、本の活字を大きくしたり背景の色を変えたりすることが可能で、一部には内容を音読する読み上げ機能も付いている。
 市立笠間図書館の担当者は「高齢者にとっては取っ付きづらいかもしれないが、一度利用すると便利に感じるのでは」と話す。
 県内の電子図書館の開館は、二〇一四年の筑西市が先鞭(せんべん)をつけた。パソコンやスマホさえあれば、いつでもどこでも図書を利用できるのがメリットで、水戸市や鹿嶋市など七市で導入が進んだ。
 一方、取手市と笠間市は、コロナ禍を受けての開館となった。昨年四月に政府による初の緊急事態宣言が発令された際、他の図書館と同様、両市でも休館を余儀なくされた。笠間市の図書館には「学校が休みになったのに図書館が開いておらず、子どもをどこにも連れて行くことができない」と悲痛な声が寄せられた。

昨年の緊急事態宣言の際、休館を強いられた笠間市立笠間図書館。コロナ禍は電子図書館オープンのきっかけとなった=いずれも笠間市石井で

 昨年十月に開館した取手市の電子図書館の貸し出し点数は月間で四百点以上。担当者は「今月に入り県独自の緊急事態宣言が発令されてから、貸し出し点数が増えている」と話す。
 電子書籍の充実は今後の課題だ。笠間市の電子書籍は現在約千七百点。「紙の蔵書の五十四万点に比べると相当少ない。市民の期待に応えられるよう、電子書籍を増やしていきたい」と意気込んでいる。

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