行き場を失ったトランプ氏支持者が次に向かうのは… 極右団体が活発化 暴動に警戒

2021年1月29日 06時00分
6日、米ワシントンで連邦議会議事堂になだれ込むトランプ大統領の支持者=ロイター・共同

6日、米ワシントンで連邦議会議事堂になだれ込むトランプ大統領の支持者=ロイター・共同

 【ニューヨーク=杉藤貴浩】米国土安全保障省は27日、バイデン大統領の就任から数週間、全米で過激主義者による国内テロや暴動が起こる危険が高いとする異例の声明を出した。極右団体が、行き場を失ったトランプ前大統領の支持層の受け皿になる動きもあり、当局は警戒を強めている。
 同省は声明で、6日の連邦議事堂襲撃事件によって「国内の過激主義者が大胆になっている可能性がある」と警告。バイデン氏の大統領就任や新型コロナウイルスによる外出規制などへの怒りが動機となり、政府関係者や政府施設などを攻撃したり、人種差別的な憎悪犯罪を起こす恐れがあると強調した。
 過激主義者については「コロナウイルスに対する誤った情報や陰謀論」を信じている可能性を指摘。特定の団体などは名指ししていないが、トランプ氏を熱烈に支持した人種差別的な極右団体プラウド・ボーイズや反政府的な武装右翼「ブーガルー」、陰謀論「Qアノン」の信奉者などが念頭にあるとみられる。
 議事堂襲撃事件後、過激主義団体の指導者らはツイッターやフェイスブックといった主要な会員制交流サイト(SNS)での投稿が停止され、規制の少ない「テレグラム」などのサイトに移動した。
 米紙ロサンゼルス・タイムズによると、テレグラムに開設されたプラウド・ボーイズ関連のチャンネルのフォロワーは、襲撃事件後に3倍へ急増。多くはバイデン氏へのスムーズな政権移行に戸惑うトランプ氏支持者とみられ、こうした極右団体がネットを通じて勢力拡大を図る動きが活発化している。
 今後、移民規制の見直しや銃規制の推進、LGBTQ(性的少数者)の権利擁護といったバイデン政権の政策に対する反発がトランプ氏支持者の過激化を加速させる懸念もある。国土安全保障省は「政府関連施設の安全対策を優先的に進めることを勧める」と各州や関係当局に呼び掛けた。

関連キーワード


おすすめ情報

国際の新着

記事一覧