<新型コロナ>病床不足 埼玉県の入院待機50人超 自宅療養、60代以上患者も増加

2021年1月29日 07時41分
 新型コロナウイルスに感染し、入院が必要と判断されながら四十八時間以上受け入れ先が見つからず、自宅療養している患者が二十七日時点で五十六人に上っている。感染者の総数が増えるにつれて、重症化しやすく入院が必要な患者も増える一方、病床の確保が追いついていない状況だ。 (飯田樹与)
 県の基準では中等症以上の患者が入院の対象だが、軽症でも高齢や基礎疾患など重症化リスクがある人は入院させるとしている。県によると、入院待ちの患者の半数以上はこうした重症化リスクのある高齢者で、少なくとも今月十九日以降は四十〜六十人台で推移。中には軽い肺炎症状がある人もいたという。
 東京など他自治体では自宅療養中に死亡する例が相次いでいる。県はこうした患者に血中酸素飽和度を測る「パルスオキシメーター」を貸し出し、定期的に電話して体調を確認。家族にも見守りを依頼して容体の急変に備え、発熱や持病の薬がなくなりそうな場合には外来受診を手配している。
 入院できない最大の要因は病床不足だ。県が集計した一週間ごとの新規感染者数では、十八〜二十四日の総数は前週と比べて減っている。ただ、年代別で六十代以上は増えており、重症者の増加が懸念される。二十七日時点の患者数は四千六百四人で、うち九百十六人(重症者七十九人)が入院中。病床使用率は71・7%(重症病床使用率56・4%)となっている。
 数字上は満床まで余裕があるように見えるが、命に関わる深刻な病状の患者の受け入れに備え、病床に余裕を持たせる必要があるという。また、各病院が新たに受け入れられる入院患者は一日に五、六人が限度といい、病室が相部屋になる場合は同性の患者だけにするなどの制約もある。各保健所から入院が必要と判断された患者の受け入れ先を調整する県の調整本部の担当者は、現状を「病院側に相当頑張ってもらって調整した数字」と話す。
 県の病床確保計画では、現在の感染状況で必要な重症者用の病床は二百床となっている。しかし、医療スタッフの不足や、病院内の動線確保など設備・構造上の問題で約六十床足りていない。県の専門家会議は「重症者は新規感染者の増加に遅れて出てくる可能性がある」と指摘しており、県は病床確保を急ぐとともに、感染者を増やさないよう不要不急の外出自粛など協力を呼び掛けている。

関連キーワード

PR情報

埼玉の新着

記事一覧