脳疾患症状なのに…「コロナ患者はダメ」搬送先探しに3時間 茨城・日立市で たらい回し、病床不足が深刻化

2021年1月29日 07時49分

急病人を搬送する救急車=水戸市の北消防署で

 茨城県日立市では今月中旬、新型コロナウイルス感染者の救急搬送先の決定まで約三時間かかったケースがあった。現場からは「コロナがネックになっている」との声が上がる。
 日立市内を管轄する市消防本部によると、コロナに感染し、自宅で療養していた市内の七十代男性が十四日、脳疾患の症状を訴えて一一九番した。駆け付けた救急隊員は、近隣の二病院に受け入れを打診したものの、「コロナ患者の対応はできない」などの理由で断られた。
 医療機関への問い合わせと並行し、保健所を通して県入院調整本部にも連絡。救急車が到着してから約一時間四十五分後、土浦市内の医療機関への搬送が決まったものの、移動には一時間十分も要した。
 日立市消防本部の担当者は「通常時は、医療機関に問い合わせても一カ所目で決まることが多い。これほど長くかかることはまずない」と驚く。
 日立市では、十一〜十七日の一週間に「救急搬送困難事案」が六件発生。担当者は、コロナ禍に伴う病床逼迫(ひっぱく)との関連について「分からない」としながらも、「発熱などコロナが疑われると、医療機関も構えてしまう」と指摘する。
 一方、水戸市と城里町を管轄する水戸市消防本部によると、週ごとの「困難事案」は、十一〜十七日は二十四件、直近十八〜二十四日は二十件だった。
 この期間は、水戸赤十字病院内で感染者が相次ぎ、救急外来の受け入れを停止していた。水戸市消防本部救急課の飯塚隆係長は「病床数が市内でも最大級の水戸赤十字病院が受け入れを停止したため、市内の医療機関のベッドがかなり埋まっていた」と説明する。
 水戸赤十字病院は二十五日、救急外来の一部を再開したが、感染拡大は続いている。飯塚氏は「冬場はもともと搬送が多い時期。今後も搬送が困難になることへの懸念はある」と緊張感を保つ。 (松村真一郎)

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