350万年前のホタル科化石発見 下仁田町自然史館「国内初」 標本、来月から常設展示

2021年1月29日 08時03分

ホタル科の化石と確認された標本=田中敏明さん提供

 下仁田町自然史館は28日、同館で保管する昆虫の化石が約350万年前のホタル科の化石と確認されたと発表した。同館によると、ホタル科化石は世界的にも非常に希少で、国内では初めて。群馬、長野県境地域で採取された。2月から同館で常設展示する。 (石井宏昌)
 化石は体長十一ミリ、オスの標本とみられる。体長や形などから、現在生存している種ではムネクリイロボタルに近いという。
 町内の民間教育研究団体「下仁田自然学校」に所属していた同町の故・茂木伊一さんが、群馬県南牧村と長野県佐久市の境界地域にある兜岩山の標高一、一〇〇メートル付近で、約三百五十万年前の地層から採取。死後に遺族が他の収集化石と一緒に寄贈した。採取時期は不明。
 自然学校に所属し、兜岩山一帯の地層から採取された昆虫化石を研究している元中学校教諭の田中敏明さん(66)=横浜市=らが調べ、二〇一七年に「ハムシ科の一種」の可能性を指摘。再度、詳しく調査した結果、触角や頭部、交尾器の形状などからホタル科の一種と判断した。研究成果は昨年十一月、昆虫専門月刊誌に掲載された。
 田中さんは「昆虫は死後にすぐ体が細分し、捕食や腐敗するために化石として残ることが少ない。現在の記録では国内で唯一のホタル化石で、世界的にも貴重な標本と思う」と話した。
 同館の中村由克館長は「兜岩山一帯の地層はカルデラ湖に火山灰が堆積した地層で、化石として残る条件がそろった」と指摘。「ホタルは日本人が昔から親しんでいる昆虫の一つ。自然学校の研究や活動を支援してきた地域の努力が実り、うれしく思う」と喜んだ。

関連キーワード


おすすめ情報

群馬の新着

記事一覧