住民「苦しみは続く…」 米軍横田基地の飛行差し止め、最高裁認めず 騒音被害は認定し国の賠償確定

2021年1月29日 21時01分
 米軍横田基地(東京都福生市など)の周辺住民144人が米軍機などの夜間・早朝の飛行差し止めと騒音被害の賠償を求めた「第9次横田基地公害訴訟」の上告審で、最高裁第2小法廷(草野耕一裁判長)は、住民側の上告を退ける決定をした。飛行差し止めを認めず、過去の騒音被害について国に約1億1200万円の支払いを命じた二審の東京高裁判決が確定した。
 二審判決を不服とした原告9人が上告していた。決定は27日付。裁判官4人全員一致の意見で、詳しい理由は示さなかった。
 原告団副団長の青山秀雄さん(72)=昭島市=は29日、取材に「とんでもない決定だ」と怒りをあらわにした。自宅は基地の南側約500メートルにあり、半世紀以上騒音に悩まされている。米軍機が上空を通過するたびに窓が揺れるといい、「賠償金だけでは解決にならない。飛行差し止めが認められない限り、苦しみは続く。今後も声を上げていく」と語った。
 昨年1月の二審判決は一審の東京地裁立川支部判決をほぼ踏襲し、米軍機の飛行差し止めについて「日本に第三者(米軍)の行為の差し止めを求めることはできない」と退けた。
 騒音被害については、騒音レベルを示す「うるささ指数(W値)」が75以上の地域の原告を対象に、国に対し、1人当たり月額4000~1万2000円を支払うよう命令。騒音被害がなくなるまでの将来分の被害は認めず、W値75未満の原告の請求は退けた。
 原告側は控訴審で新たに、2018年10月に正式配備された垂直離着陸輸送機オスプレイによる低周波音の被害も訴えたが、高裁は「オスプレイによって低周波音が発生しているとは認められない」とした。(山田雄之)

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