コロナ対応で風評被害…赤字でボーナス減額の病院「職員の臨時手当に」クラファンに目標の5倍の4800万円

2021年1月29日 12時00分
 新型コロナウイルス診療の影響で赤字になった茨城県守谷市の医療法人「慶友会」が、ボーナス減額を強いられた全職員に臨時手当を出すため、クラウドファンディング(CF)で支援金を募った結果、目標額の5倍近い約4800万円が集まった。現場の医師らは「全ての医療機関への応援と受け止め、今後も診療を頑張りたい」と話している。 (宮本隆康)

◆プレハブで発熱外来開設…1700人を診察

防護服姿で慎重に感染者の入院着などを洗う守谷慶友病院の職員=茨城県守谷市で(同病院提供)

 慶友会が運営するのは、地域の中核病院で178床の「守谷慶友病院」。県の要請でコロナ入院患者用に12床を用意し、昨年4月に受け入れを始めた。プレハブ施設を建てて発熱外来を開設し、感染疑いの人も診察している。
 入院患者は今月28日現在で、重症者1人、中等症8人。昨年11月下旬から12月は満床状態で、これまで累計で56人を受け入れた。発熱外来では、これまで約1700人を診察している。
 感染症指定医療機関ではないため、当初は病院内に不安の声もあったが、「どこかの病院が受け入れなければ」と判断。防護服の着脱や、感染者のいる空間の区分け方などを学んだ。それでも昨年4月下旬には、コロナ患者の担当看護師1人が感染した。

◆「もう行かない」一般外来が減少 コロナ診療の支出は増加

 看護師感染が報道されると「もう行かない」などの電話が相次いだ。職員からは「地域のためと思っているのに、周りの視線が冷たく感じる」「高齢の家族がいて、自分がウイルスを持って帰らないか心配」との声も上がった。
 風評被害などで一般外来が減少した上、コロナ診療の支出も増加。昨年4~8月で約1億8000万円の赤字に陥った。慶友会の全職員約500人は、昨年冬のボーナスを減らされ、本年度の昇給も見送られた。

◆異例の早さで目標達成「勇気もらえ、感謝でいっぱい」

 このため、慶友会は昨年11月末から1カ月間のCFを始め、職員に臨時手当を出す支援金を募った。開始から34時間で目標の1000万円を達成。CFサイト運営会社「READYFOR(レディーフォー)」によると、異例の早さ。県内外の寄付者から「日々応援しています」「誇りに思います」などのコメントも多く寄せられた。
 慶友会は全額を使い、全職員に約7万円の臨時手当を支給。コロナ患者に直接対応する職員には、さらに約7万円を上乗せすることを決めた。
 守谷慶友病院の今村明院長は「臨時手当でボーナスの減額分を穴埋めできたわけではない。赤字も一時期ほどではないが、まだ続いている。それでも支援と応援の言葉で職員たちは勇気をもらい、感謝の気持ちでいっぱい」と話している。

PR情報

茨城の新着

記事一覧