東京からの転出者急増、約半数が近隣3県へ コロナでテレワーク普及

2021年1月29日 20時47分
 総務省は29日、2020年の住民基本台帳に基づく人口移動報告(外国人含む)を発表した。東京都は転入者が転出者を上回る「転入超過」となったが、転出者数は前年から1万7938人多い40万1805人で、全国で唯一増加。転出先は近隣3県が55%を占めた。新型コロナウイルスの影響でリモートワークが普及し、都心から通勤圏内の郊外へ移り住む流れが進んでいる。

◆東京都は6カ月連続で「転出超過」

 他道府県から東京都への転入者数は43万2930人。転出者を引いた転入超過数は、昨年より5万1857人少ない3万1125人だった。
 進学や就職に伴う移動が多い3月には4万人超の転入超過だったが、緊急事態宣言が出た4月以降は転入者が減少。7月から12月まで6カ月連続で人口が減る「転出超過」が続いている。転出先は近隣3県のほか、大阪府、愛知県、北海道、福岡県、茨城県が年間1万人を超えた。

◆東京圏への人口集中に急ブレーキ

 一方、東京圏(東京、埼玉、神奈川、千葉)でみても、東京に引っ張られる形で転入者が減少し転出者が増加した。転入超過数は9万9243人で、昨年より4万9540人少なかった。1月から6月までは転入超過で推移したが、7月には、外国人を含めた集計を始めた13年以降、初めて転出超過に転じた。東京圏への人口集中に急ブレーキがかかった形だ。
 りそな総研の荒木秀之主席研究員は「リモートワークで住む場所を選ばない人が増えているが、東京からの転出先は近隣県が主で、まだ大きな動きとは言えない。しかし、この傾向が続けば北海道などリゾートの要素もある地域が移住の選択肢となり、移住を誘致する自治体間の競争が始まるだろう」と話した。(原田晋也)

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