コロナ患者受け入れてないのに…「いつの間にかクラスター」 茨城の病院長が語った怖さ

2021年1月30日 06時00分
 患者と医療従事者の新型コロナウイルス感染が相次いでいる「いちはら病院」(茨城県つくば市)の池田耕太郎院長が29日、本紙の取材に応じた。「症状が軽いと見抜けず、いつの間にか感染が広がっている。クラスターは容易に起こる」とコロナの怖さを語った。
 県によると、28日現在、同病院では患者と医療従事者計23人、併設する介護老人保健施設の入所者2人の陽性も判明している。県は病院名を公表していないが、クラスター(感染者集団)が発生したと判断している。
 同病院は整形外科や内科などの診療科目を持ち、病床は199床。中規模病院で地域医療を担うが、これまでコロナ患者は受け入れてなかった。
 それが一変したのが今月中旬ごろ。池田院長によると、退院した患者が発熱し感染したと連絡があり、念のため同室の患者を調べると、13日に陽性が判明。慌てて患者とスタッフのPCR検査を実施し、次々と陽性が分かった。
 このため急きょ、4つの病棟のうち、感染者が出た病棟をコロナ病棟に変えた。ほかの病棟から治療に当たる看護師らを募り、マンパワーを集中。支障がない患者には退院を依頼し、入院や新規患者の受け入れを止めた。
 コロナ病棟では看護師とリハビリスタッフが、4交代で高機能の「N95マスク」とフェースシールドを着け、防護服を着て患者の看護や生活の世話に当たる。
 感染症に不慣れだったため、筑波大付属病院や県つくば保健所などから専門スタッフを派遣してもらい、マスクの着け方や防護服の脱ぎ方など基本的な感染症対策の指導を受けた。
 院内では「しばらくの間、エレベーター、階段の使用を停止します」とのアナウンスが定期的に流れる。陽性が疑われる患者が検査を受けたり、陽性患者が転院したりして院内を移動する場合、全ての動線を遮断し、エレベーターホールをついたてで遮ったり、ほかの患者や医療スタッフとの接触を避けたり、感染防止対策を徹底している。
 池田院長は「コロナがしつこいのは、陽性者が出た2日前には、既に感染が始まっていること。2日前から関わっているスタッフたちが、いろいろなところに出入りしていれば、既に拡散している状況になる。熱心な看護師ほど感染するリスクは高い」と指摘した上で、「予断は許さないが、2月中に終息できれば」と強調した。
 池田院長はコロナ禍を機に、筑波大付属病院との連携を強化していく考えも示した。(林容史)

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