<新型コロナ>舞台の神髄を朗読劇で 千葉県内の俳優2人が共演 11日、県文化会館小ホールで

2021年1月30日 07時23分

公演に向けておもかげ抄の稽古に励む見上さん(手前)と南さん=松戸市の県立松戸高校で

 新型コロナウイルスの感染拡大で逆風にさらされる演劇界。公演自粛や中止が相次ぐ中、県立松戸高校などで演劇を指導する俳優の見上裕昭さん(65)=柏市在住=は、コロナ下の表現活動として「朗読劇」に着目し、その魅力を生徒たちに伝えている。文学座の先輩で女優の南一恵さん=船橋市在住=との来月の公演に向け、「名作を多くの人に知ってほしい。プロとして感動の舞台をお見せしたい」と意気込む。 (牧田幸夫)
 二人の朗読劇は二月十一日、県文化会館小ホールで開かれる。演目は「おもかげ抄」(山本周五郎)と「蜘蛛(くも)の糸」(芥川龍之介)。七年ぶりの共演だ。
 教員時代に松戸高に県内唯一の「演劇科」を立ち上げた見上さん。退職後も講師として同校や東京情報大学で演劇の授業を受け持つが、このコロナ禍でかつて師事した故つかこうへい氏ばりの「口角泡を飛ばす芝居」はできなくなった。指導法を模索するなかで、たどり着いたのが朗読劇だ。
 松戸高の授業では、見上さんの稽古を見学したり、生徒が実際に南さんのパートを担当し朗読劇に挑戦。ある生徒は「登場人物が複数の時は声色を変えるのかと思っていたが、その人物の心情や背景を理解してせりふを言えば、どの人物かが分かる」と学んだ。言葉だけで勝負する奥深さに触れた生徒からは「お芝居よりも難しい。声優のすごさが分かった」との感想も。
 南さんも「目をつむって聞いていても映像が浮かび上がってくる。そこに注目してほしい」とプロの腕に自信を見せた。
 南さんの勧めで演じるようになり、今では見上さんの代表作となったおもかげ抄は、亡き妻を思い続ける腕の立つ浪人の話。東京情報大学では女子学生らが「泣けました。ちゃんと読めるようになりたい」と練習に励んでいるという。
 公演は感染防止対策で、舞台に上がるのは二人だけで、スタッフも照明と音響の最少人数で行う。入場者も定員二百五十二人のところを半分に制限する。チケットなどの問い合わせは県文化会館=電話043(222)0201=へ。 

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