<新型コロナ>テレワーク促進なるか 多摩の10ホテル 1回500円 都事業好調

2021年1月31日 07時07分

サテライトオフィスプラン用のシングルルームを整える尾方理恵さん=八王子市のR&Bホテル八王子で

 新型コロナウイルス感染拡大を防ぐ目的で、都は多摩地域にある宿泊施設十カ所の客室を、テレワークの一形態で自宅近くの拠点に出向いて仕事をする「サテライトオフィス」として提供する事業を行っている。都が室料の大半を負担するため料金は一回五百円と格安で、予約は好調だ。企業の意識改革を促し、テレワーク普及につながるか。 (林朋実、竹谷直子)
 都は緊急事態宣言の再発令を受け、昨年七月から設置している多摩地域のサテライトオフィスを増やした。一月二十日〜二月十八日と二月十九日〜三月二十日に各五カ所の計十カ所を用意し、一カ所あたり一日二十室を提供する。各施設とも駅から徒歩十分以内で、利用は原則午前九時〜午後七時。平日は予約でほぼ満室だという。都の担当課長は「取り組みが広がっている」と話す。
 記者も、そのうちの一つ「R&Bホテル八王子」(八王子市)を使った。会社の利用同意書と社員証を受付で見せてチェックイン。シングルルームに七時間ほど滞在した。柔らかそうなベッドへのごろ寝の誘惑に負けず、デスクでパソコンを開く。無料Wi−Fiにつないで調べ物や電話取材をして原稿を書いた。
 途中、休憩時間に子どもが通う保育施設のZoom(ズーム)個人面談にも参加した。四十分ほどの面談は特に問題なく通信できた。個室なのでリモート会議も心配なさそうだ。周囲にコンビニや飲食店があり、食事にも困らない。静かで集中でき、快適だった。
 同ホテルマネジャーの尾方理恵さん(31)は「ベッドもあり、リラックスできると好評。繰り返し利用している人もいる」。同ホテルは都の事業とは別に昨年六月からテレワーク用のプランも提供し、そちらも一日三〜六件ほど利用があるという。「働き方が変わってきたと感じる」と話す。
 一方、サテライトオフィスを提供している別の施設の担当者は「通常利用と合わせて満室になるのはありがたいが、宿泊には使えないし、急なキャンセルもあるので悩ましいのも事実」と話している。
 「東横INN立川駅北口」(立川市)を利用した福生市の会社経営者篠原誠さん(49)は港区に出社していたが、コロナ禍でテレワークに切り替えた。「カフェなどはセキュリティーの問題があり、マスクをしていない人もいるので感染症対策の点も不安がある。ホテルは個室なのがうれしく、集中できる」と話した。
 ただ、税金投入の結果として格安になった料金に戸惑う声もある。同ホテルでテレワークをした昭島市の会社員男性(56)は「五百円は驚き。税金なので申し訳なさも感じる」と漏らした。

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