[シイタケ] 愛知県半田市 中木亜由(24)

2021年1月31日 07時28分

◆わたしの絵本

イラスト・まここっと

◆300文字小説 川又千秋監修

[雪] 岐阜県高山市・公務員・42歳 森由貴

 朝ちらついていた雪は、夕方には景色を霞(かす)ませるほどになっていた。
 「よく降るね」
 「歩くのは大変だけど、きれいな銀世界を見るのは悪くないね」
 少しぬかるんだ雪道に黒い足跡が残ったが、すぐに白色に覆われていく。
 「黒もすぐに白になるね。絵の具なら混ぜたら灰色になるのに。雪の白色は全てを自分の色にするんだ」
 「それなら黒い足跡だけじゃなく、真っ黒い心も白くなればいいのに」
 「そうしたら真っ白な心を持った人間だけになるよ。世界が平和になるかもね」
 翌朝、雪で覆われた世界が全て白くなり、真っ白な心を持つ人間だけになった。
 しかし、その白色はすぐに消えてしまった。世界を覆っていた雪が溶けると同時に。

<評> 一面の雪景色を眺めていたら心の中に思索的なイメージが広がりました。もしも、この世界を真っ白に塗り替えて、自由に描き直すことができるなら…あなたは、どんな新しい日常を描き込みますか?

[一人アイス] 名古屋市緑区・パート・63歳 原田恵子

 夫は、私が留守の時、アイスを食べているようだ。
 いつだったか帰宅すると、アイスを食べた残りの袋がテーブルの上に!
 夫は「アッ! 捨てるの忘れてた。バレちゃう〜」と慌てていた。
 とっくにバレているのに!
 でも、どうして私がいない時に食べているのか?
 食べたらダメなんて言ったことないのに…。
 いつも、そのアイスを持たせてくれる母に、このいきさつを話してみた。
 すると、「わかるな〜♪ 私も、いつもお父さんがいない時、食べてるよ〜」と返ってきた。
 夫は母と同類項なのかな。
 私には、その気持ち、よくわからないけど、いつか一人の時に試してみようかな。

<評> 誰も居ぬ間に、一人でこっそり…という、ちょっと後ろめたい気分がアイスの風味を引き立てているのではないでしょうか。一度試してみたい気持ちは分かりますが、やみつきになりませんように。

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