コロナ治っても病院に…転院先見つからず4割超のベッドが埋まったまま 新患の受け入れ困難に

2021年2月2日 05時55分

新型コロナから回復し、転院してきた高齢者(中)のリハビリに付き添うスタッフや武久敬洋院長(左)=東京都世田谷区の世田谷記念病院で

 全国の大学病院が確保する中等症や軽症向けの新型コロナウイルス対応ベッドのうち、4割前後を無症状や酸素投与が不要な患者が埋めている。全国医学部長病院長会議が調査した。回復後もすぐ日常生活に戻れない患者の転院先が見つかりにくいのが主な理由。コロナ対応病床が逼迫し、緊急性の高い患者の受け入れが困難な状況は続いており、連携が課題となっている。(井上靖史)

◆1都3県の大学病院

 同会議は医学部と病院がある82の国公私立大学でつくる。感染者が極めて多かった緊急事態宣言発令直前の1月6日時点の状況について聞き取りし、81病院が回答した。
 回答した病院が確保する中等症・軽症向けのベッドは計1216床。無症状や酸素投与が必要ない患者が332人、コロナかどうか判別できない患者114人が入院しており、計36.7%を占めた。1月8日に緊急事態宣言が実施された首都圏の1都3県にある大学病院に限ると46.6%に上った。状況は現在も大きく変わっていないという。
 同会議によると、ベッドを埋めている患者は、コロナは治っても後遺症が残ってリハビリや治療が必要な人が多い。家族で感染し、1人が重症化したため軽症の家族も付き添いで入院するケースもあるという。

◆協力金支給の自治体も

 都市部にある大学病院の多くは、回復した患者らを転院させる提携先の医療機関を整えていない。医師や職員も多忙で転院先を探す十分な余裕がない。同会議の湯沢由紀夫会長(藤田医科大病院長)は「行政は地域の役割分担を明確にし、転院先の確保を調整してほしい」と話す。
 一部の自治体は、コロナの感染力が大幅に下がり、退院基準を満たした患者を受け入れた医療機関などへ協力金の支給を始めた。東京都八王子市は患者1人当たり3万8000円、都は18万円を支給する。厚生労働省も診療報酬の加算額を期間限定で上乗せし1万7000円とした。日本医師会など医療界も受け入れが円滑に進むよう病院の役割分担について協議を始めている。

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