信長や秀吉、家康に贈られた「江川酒」復活へ最終段階 73歳の杜氏も「初めて見た」製法

2021年2月2日 08時49分

最終の仕込みに入った江川酒のかい入れをする杜氏の伊奈静夫さん(中)と、見守る江川文庫学芸員の橋本敬之さん(左)と江川家当主の江川洋さん=伊豆市の万大醸造で

 韮山地域(現伊豆の国市)の代官を務めた江川家で造られ織田信長、豊臣秀吉、徳川家康にも贈られた「江川酒(えがわしゅ)」を復活させる作業が進んでいる。昨年確認された江戸時代の製法書を基に醸造に取り組む伊豆市の万大醸造で一日、三段仕込みの最終段階となるかい入れが行われた。今月下旬の完成が目標だ。
 江川酒は江戸中期の元禄十一(一六九八)年に製造が中止され、「幻の酒」とされてきた。復活すれば約三百二十年ぶり。
 一日は江川家四十二代当主の江川洋さん(50)、製法書を確認した江川文庫学芸員の橋本敬之さん(68)が見守る中、杜氏(とうじ)の伊奈静夫さん(73)が、かいを使いタンク内のもろみを丁寧にかきまぜた。今後は温度を調整しながら発酵させる。
 仕込みは一月六日に始まり、可能な限り製法書に従っている。現代の日本酒より使う水の量が少なく、通常はどろどろのタンク内もこの日は乾いていた。伊奈さんは「初めて見た。これからどんな酒になるか。ドキドキだ」。江川さんは「復活に意義を感じた取り組みがうれしい。酒を通じて江川家の歴史にも注目が集まれば」と話した。
 約五百リットル=四合(七百二十ミリリットル)瓶計約七百本分=を製造予定で、販売時期や方法は検討中。問い合わせは伊豆の国市内の案内所「まちすけ」=電0558(76)0030=へ。 (渡辺陽太郎)

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