緊急宣言を延長 早期解除へ追加対策を

2021年2月3日 06時57分
 政府は新型コロナウイルス感染症を巡る緊急事態宣言の期限を一カ月延長した。感染拡大の勢いは鈍っているが、高止まりが続き、油断できない状況だ。早期の解除には、さらなる対策が必要だ。
 緊急事態宣言は栃木県を除き、首都圏四都県と愛知、岐阜両県などで延長された。これら十都府県での感染は、宣言解除の目安となる状況にまでは改善しておらず、宣言の期限延長はやむを得ない。
 菅義偉首相は一月の再宣言の際、感染状況を「一カ月で改善させる」、対策を「限定的、集中的に行う」と強調していた。
 なぜ感染収束に至らなかったのか、対策は効果的だったのか。国民の納得がいく説明が必要だ。今後の対策と見通しについても合わせて語るべきだろう。
 厚生労働省の専門家組織は再宣言後の状況について、夜間の人出が減り、飲食店からの感染拡大が一定程度抑えられたと分析した。
 飲食店に午後八時までの営業時間短縮を求めた成果は確実に出ている。時短営業に取り組んだ事業者の協力をたたえたい。
 ただ、事業規模が大きい事業者には経営支援が不足しているとの意見がある。宣言の期限延長で、これ以上の営業自粛には応じられない事業者の増加も懸念される。
 事業者への経営支援の在り方や規模について検証し、より必要とされる施策を講じる必要がある。
 サービス業などシフト制で働く女性や学生ら非正規労働者に、休業手当が支払われない現状も見過ごせない。労働者が国に直接申請して受け取れる休業支援金・給付金も十分には行き渡っていない。
 若い世代の感染者は減少傾向だが、アルバイトもできない中で生活に困窮し、退学の危機に直面している学生も出ているという。就学支援策の検討も不可欠だ。
 政府には困窮している人に支援を確実に届ける責任がある。誰も取り残さない手だてが必要だ。
 感染は飲食店から高齢者施設や医療機関にも広がっている。入院先が見つからず、入居する介護施設で待機せざるを得ない高齢者もいて、クラスター(感染者集団)の発生につながっている。
 新規の感染者が減少傾向に転じたとしても、重症者は遅れて増えてくる。感染症の治療を終えた患者を、別の病院が受け入れるなど医療機関同士の連携は早急に進める必要がある。
 感染を抑え込むにはどんな対策が有効か。政府はそれを見極め、確実に実行しなければならない。

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