「罰則は分断や排除を増幅しかねない」 憲法学者や当事者団体から撤回求める声<新型コロナ関連法>

2021年2月3日 22時11分
 3日に成立した新型コロナ関連法を巡っては、自民党と立憲民主党による修正協議で刑事罰は削除されたが、行政罰を含めた罰則は残った。今回の改正が感染拡大防止につながるとの見方がある一方で、法律や医療など多くの団体が反対声明を出し「(社会の)分断や排除の思想を増幅しかねない」などと罰則の撤回を求めている。
 70人超の憲法研究者有志は、知事が事業者に休業・時短営業などを命令できる改正特別措置法の規定について「『営業の自由』『財産権』に対する過度の制約で、違憲の疑いが強い」と指摘。憲法29条に基づく「正当な補償」を可能にする財政措置を訴えた。
 有志の1人で稲正樹・元国際基督教大教授は3日、本紙の取材に「成立した法を安易に発動して、権力的統制を強めることには強く反対する」と話した。
 医療問題弁護団は、修正協議で刑事罰が削除されたことに関し「刑事罰であろうと行政罰であろうと同じことだ」と主張した。
 ハンセン病患者らに対する隔離、差別、人権侵害などの歴史的経緯を踏まえた反対も多い。医療事故情報センターは「差別や偏見をさらに助長する」、薬害肝炎全国原告団・弁護団は「(過去の差別や偏見を教訓として生かすとした)感染症法前文の理念に真っ向から反する」と訴えた。
 現場でコロナ対応に当たる保健所の所長らによる全国保健所長会は修正合意前の1月27日、感染症法改正に関する意見を厚生労働省に提出。「罰則を振りかざした脅しを行うことで住民の私権を制限することになれば、住民目線の支援に支障をきたす」と指摘していた。(坂田奈央)

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