コロナ禍でもテスト大会なくても進化し続ける 北京冬季五輪目指す選手たち

2021年2月4日 06時00分
 史上初めて夏と冬の五輪開催都市となる北京での冬季五輪は開幕まであと1年。新型コロナウイルスの感染拡大が収束しない状況で、選手たちは今、五輪プレシーズンとなる今季を戦いながら、難しい調整を続けている。

◆ジャンプ・高梨「飛ぶことで伝える。元気や勇気を」

 「飛ぶことで何かを伝える方法しか私たちにはない。今できることは、見ている方に元気や勇気を与えられるパフォーマンスをすること。やるべきことをやるしかない」

W杯ジャンプ女子個人第1戦で3位に入った高梨沙羅=2020年12月、ラムソーで(共同)

 ノルディックスキー・ジャンプ女子の高梨沙羅(クラレ)は2日、滞在中のオーストリアから本紙の電話取材にそう語った。昨年12月に始まったワールドカップ(W杯)のため欧州を転戦中の24歳。開幕戦で3位、1月末の第4戦では2位と存在感を示している。
 18年平昌五輪は銅メダル。今季は海外勢に10代の台頭が目立ち、「流れに置いていかれないためにも、いろんなことに挑戦し続けないと」と危機感を口にする一方、「ようやく自分のスタイルが見えつつある」と手応えも感じている。
 昨年のオフは恒例の海外合宿ができず、雪上練習はシーズンが本格化する年末になってからだったが「しっかり自分と向き合って何をすべきか考えられた」という。遠征中も練習施設を使えないことがあるが、悲願の金メダルを目指す北京に向け「目の前の試合をつなげていくことで、そこに向かっていくと思う」と足元を見つめる。

◆ノルディック複合・渡部暁斗「明日五輪でもいいと思って準備」

 ノルディック複合で五輪2大会連続銀メダリストの渡部暁斗(北野建設)は、昨年11月に東京都内であったシーズン開幕会見で「五輪があってもなくても準備することは変わらない。半年後だろうと1年後だろうと、あした五輪があってもいいと思って毎日準備している」と言った。1月のW杯今季初優勝で荻原健司に並ぶ日本勢最多の通算19勝目をマークするなど、粛々と歩みを進める。

W杯複合男子個人第8戦で日本勢最多に並ぶ通算19勝目を挙げ、右手を突き上げる渡部暁斗=1月24日、ラハティで(共同)

 収束が見通せないコロナ禍では、国際スキー連盟がスノーボードやフリースタイルスキーの世界選手権、ジャンプのW杯など北京五輪と同じ会場で実施するはずだった全てのテスト大会の中止を決定。テスト大会がグランプリファイナルを兼ねていたフィギュアスケートやスピードスケートの世界選手権も中止が決まっている。国内開催のW杯も、ジャンプは札幌大会と蔵王大会が、モーグルは秋田たざわ湖大会がいずれも実施を断念した。この先、東京五輪の開催判断は北京五輪にも影響を及ぼしかねない。
 冬季五輪は1924年にフランス・シャモニー大会で始まった。以降、第2次世界大戦の影響で過去2度にわたって中止した例はあるが、延期は一度もない。全日本スキー連盟の関係者は「安全性は簡単には担保できない。仮に東京五輪ができない場合、半年後にどのようにして北京を迎えるのかは難しい課題だ」としながらも「選手たちのバックアップは全力でしていく」と話した。(中川耕平)

関連キーワード

PR情報