動画投稿 無許可NG 著作権法守って 読み聞かせ配信も注意

2021年2月4日 07時38分

許可がないと著作権侵害になる例

 新型コロナウイルスの影響で家で過ごす時間が多くなり、動画投稿サイト「ユーチューブ」を利用する人も増えたのでは。ただ、投稿する前に、ルールをよく理解することが大切だ。無許可でCDをバックミュージックとして流したり、ゲームを解説しながら実況したり、絵本を読み聞かせたりすると著作権法違反となる可能性がある。 (細川暁子)
 アイドルグループ「HKT48」への楽曲提供など、作曲家と弁護士の二つの顔を持つ高木啓成(ひろのり)さん(40)=第二東京弁護士会所属=は「ユーチューブでの音楽の利用には注意すべき点が多い。『著作権』と『著作隣接権』の違いをまず理解する必要がある」と言う。
 作詞家や作曲家が持つ著作権は、「日本音楽著作権協会」(JASRAC)と「NexTone(ネクストーン)」などの著作権管理事業者が管理。ユーチューブは、この二つの事業者と契約を結び、サイトで音楽が利用された場合の著作権使用料を払っている。このため、各事業者の管理曲を自分でピアノやギターなどで演奏したり、その演奏に合わせて歌ったり踊ったりする動画を投稿することは問題ない。その曲が管理下にあるか、ネットで配信していいかは、各事業者のホームページ(HP)のデータベースで調べられる。
 一方で、市販のCDや音楽配信サービスからダウンロードした曲を、バックミュージックとして無断で流しながら踊る動画を投稿し公開すると、レコード会社が管理する「著作隣接権」の侵害に当たり、著作権法違反となる。また作詞家や作曲家の許可なく替え歌動画を投稿することは、著作者の人格や名誉に関わる部分を保護する「著作者人格権」侵害の恐れがある。
 ユーチューブでは、ロールプレーイングゲームなどを行いながら攻略法を解説する「ゲーム実況」の投稿も多い。だが著作権法上、ゲームは「映画の著作物」に当たり、ゲーム実況の動画配信は原則として著作権侵害だ。ただ、ゲーム会社がユーチューバーと契約している場合や、ゲーム機本体に付いている録画や編集、配信の機能を利用する場合は例外に。ゲーム会社がガイドラインを定めて実況を認めていることもあり、各社の方針をHPなどで確認したい。
 ゲームと同様にテレビ局の許可を得ずに、テレビ番組を無許可で撮影したり録画したりしてユーチューブで公開することも駄目だ。過去には、民放のバラエティー番組を無断で公開して広告収入を得ていた高校生らが著作権法違反で警察に書類送検された例もある。
 子どもたちに人気の絵本の読み聞かせの動画投稿も要注意。著作権を持つ著者の許可なしで、絵本を見せながら読む動画を投稿すると、著作権の侵害になる。
 著作権法違反は十年以下の懲役や一千万円以下の罰金刑となることもある。高木さんは「ユーチューブの再生回数を上げたり注目を集めようとしたりして過激な投稿も多くなっているが、違法な内容となっていないか、事前によく調べて」と強調。「誰もが情報発信できる時代になる中、学校でも著作権について教えるべき時期に来ているのでは」と指摘する。

関連キーワード

PR情報

ライフスタイルの新着

記事一覧