選手からも「怒り正直ある」森会長の女性蔑視発言に失望と批判

2021年2月4日 21時01分
日本オリンピック委員会臨時評議員会での女性理事を巡る発言について、取材に応じる東京五輪・パラリンピック組織委の森喜朗会長=4日午後、東京都中央区(代表撮影)

日本オリンピック委員会臨時評議員会での女性理事を巡る発言について、取材に応じる東京五輪・パラリンピック組織委の森喜朗会長=4日午後、東京都中央区(代表撮影)

 森会長の女性蔑視とも取れる発言に、政界やスポーツ界など各方面から批判や疑問の声が上がった。

◆「発言撤回しても許されない」

 五輪で3つのメダルを獲得している競泳女子平泳ぎの鈴木聡美選手(ミキハウス)は「自分の心にも影響が大きく出ると思いますので、多くは語れないですけど、一言で言うんでしたら、かなり残念なのかなと思いますし、怒りも正直ありました」と言葉を選びながら語った。
 人権団体「ヒューマンライツ・ナウ」事務局長の伊藤和子弁護士は「女性蔑視に基づく発言は、撤回したところで許されるものではない。女性理事の活動を愚弄し、五輪憲章の理念に反する」と批判。「森氏は今日の会見でも、少しも反省しているとは思えず、大会が開催された場合、同様のことが起こりうる。組織委は森氏に辞任を求め、ジェンダー平等への毅然とした姿勢を世界に示さなければならない」との見方を示した。
 日本スポーツとジェンダー学会は「性にもとづく差別が日本の体育・スポーツ界をリードすべき立場にある組織に蔓延している」などと批判する緊急声明を出した。

◆短時間で終わる会議「トップに忖度してただけ」

 東京大名誉教授で社会学者の上野千鶴子さんは「民主主義は合意形成コストのかかる意思決定プロセスで、議論が活性化すれば時間はかかる。短時間で済むのは男たちがトップに忖度してサクサクと会議を終わらせてきただけ」と指摘する。
 さらに「これまでも失言をくり返してきた不適切な人が会長ポストに就いたと思っていたが、今回の発言でそれがあらわになった。会場にいて同調した人も、性差別の再生産をする共犯者だ」と強調した。
 菅義偉首相は4日の衆院予算委員会で、「あってはならない発言だと思っています」と述べた。国民民主党の玉木雄一郎代表は会見で「時代錯誤で国際的にも恥ずかしい」と辞任を検討するよう求めた。(磯部旭弘、望月衣塑子、梅野光春、横山大輔)

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