記者のつぶやき 社会部科学班 永井 理 「正しく恐れる。」

2021年2月10日 12時01分

正しく恐れる。
よく言われる言葉だが、これがけっこう難しい。
「まずい。やっぱこのウイルスまずいよ」。
いろいろ治療現場の声を聞くうち、私はすっかりコロナ過敏の男となってしまった。
私の影響を受けた家族も職場で「あ、やっぱ気になります~?」などとからかわ
れているらしい。
先日ある医師と話した。
40~60代の人たちが急変して人工呼吸器をつけたという。
コロナ以外で、こんな若い世代に肺炎で呼吸器をつけた経験はなかったという。
「普通の風邪だという人もいるが、とんでもない」。
多くが軽症ですむ一方、誰が重症化するか予測は難しいという。
医師は最後に
「百発のうち一発だけ弾丸が入った銃の引き金を引けといわれたら? 私は嫌
だ」と付け加えた。
もちろん家族にも引かせたくないだろう。
そんな思いを抱えながら治療に当たる現場の人たちを本当に尊敬する。
もう病床が限界だ。
次は、誰を治療して誰をしないかという過酷な選択を迫られる。
災害時に、不都合な情報を過小評価する心理が働くことは、よく知られている。
政府の一貫しない対策のせいで、いつしか「正しく恐れる」の軸がずれてしまっ
たように思う。
いま必要なのは本当に正しく恐れることではないか。
などというのはやはり過敏男の弁明でしょうか。

※執筆記者の所属は2021年1月27日時点のものです。
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