「女性の話が長いという事実ない」 森発言でラグビー協会理事・谷口真由美さん

2021年2月6日 06時00分
 東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長から「女性がたくさん入っている理事会」「時間がかかる」と名指しされた日本ラグビー協会。5人いる女性理事の1人で、国際人権法・ジェンダー法学者の谷口真由美さんに、理事会の実情を聞いた。(出田阿生)

谷口真由美さん

 谷口さんは「理事会で女性の話が長いという事実はない。男女問わず活発に議論している」と断言する。「私たちは専門性や経験を生かしてラグビーの発展に寄与するため呼ばれた。女性メンバーは理事会で発言することが多いが、遮られたことは一度もない」
 2019年に40代の岩渕健輔さんが専務理事になり、理事会は「オープンな場で意見をどんどん交換しようというスタンス」という。女性理事には、ラグビーの国際競技連盟や全日本柔道連盟の理事などを兼務する人もおり、国際的な視点や他競技団体の知見を生かしている。
 森会長の女性蔑視発言について、谷口さんは「体育会系の男社会では『先輩に逆らわない』という風潮がある。森会長は圧倒的な存在なので、それはダメですと進言する人が誰もいなかったのではないか」とみる。問題発言をしたあいさつは約40分続いた。
 「話が長い」発言は、女性理事を4割に増やすことに反対する文脈で出てきた。谷口さんは「多様性がある方が組織は発展する。性別が偏らない方がいいですよね」と語る。
 その上で「話が長いとか競争意識が強いとか、個人の感性で『女性は…』とひとくくりにすると偏見を助長する。それがまかり通った昔と違い、性差別は許されないというのが国際社会の常識です」と指摘した。
 森氏は03年にも、少子化を巡る討論会で「子どもを1人もつくらない女性の面倒を、税金でみなさいというのはおかしい」と性差別発言をしていた。谷口さんは言う。「世論の批判の高まりに、社会の変化を実感します」

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