役員の女性進出遅れる日本スポーツ界 パワハラ、助成金不正…後絶たぬ不祥事<森会長の女性蔑視発言>

2021年2月6日 09時56分
 日本スポーツ界は競技団体などの役員の女性参加が遅れ、2019年にスポーツ庁が策定した競技団体の運営指針「ガバナンスコード」で女性理事を40%以上登用するように定めた。国が指針を出した背景にあるのは、競技団体任せだった運営の健全化だ。パワーハラスメントや助成金の不適切流用などの不祥事が多発し、女性理事の積極登用も進んでいない。(森合正範)

◆JOC加盟67団体の女性役員、わずか14%

日本オリンピック委員会(JOC)の本部が入る「Japan Sport Olympic Square」

 内閣府男女共同参画局の調べによると、日本オリンピック委員会(JOC)に加盟する67団体役員の女性割合は19年度で14.24%にとどまる。少しずつ増えているとはいえ、その割合はわずかばかりで、いまだ「閉鎖的な男社会」の声は多い。
 スポーツ・ジェンダーを研究する城西大の山口理恵子准教授は「スポーツは経験値が優先されることがあり、組織を仕切るのは男性なんだという考え方が無意識にある」と分析する。続けて「旧態依然としたスポーツ界を変えていくためにも、多様な声を聞き取る雰囲気が必要だ」と指摘した。
 競技団体のコード順守を審査するJOCは昨年12月、役員候補者選考規定を改定し、現在20%の女性理事を40%に引き上げる目標を掲げた。JOCの山下泰裕会長は「統括団体として模範を示したい」と加盟団体に先んじて組織改革に乗りだした。

◆最低でも3~4割、女性役員がいて当然

 競技団体でも動きが出てきた。全日本柔道連盟(全柔連)は定款で「20人以上30人以下」となっている理事定数の上限を33人にする。全柔連の女性理事は現在30人中4人で、増員分は女性を選任する方針を示した。
 集団の中で存在を無視できないグループになるための分岐点が3割だといわれる。山口准教授は「スポーツは既存の(男性社会の)文化ができあがっている。その中で(目標値を決めて)人数を増やすことは一番簡単にできる環境改善。3割、4割入ってくると、女性がいて当然、となってくる」と話している。

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