中国でも大人気のClubhouse(クラブハウス)が突如使用不能に…当局が規制か 政治の話も自由にできていたのに

2021年2月9日 06時00分
中国のネット通販サイトで売られている「クラブハウス」の招待コード

中国のネット通販サイトで売られている「クラブハウス」の招待コード

 【北京=中沢穣】米国や日本で急拡大している音声主体の会員制交流サイト(SNS)「Clubhouse(クラブハウス)」が中国でも人気を集めている。中国ではツイッターやフェイスブックなど米国発のSNSが当局に規制されている一方、クラブハウスには一時的に規制が及ばず、政治的な問題でも自由に意見を交わせる貴重な場所となっていた。しかし8日夜から利用できなくなり、当局が制限に乗り出したもようだ。
 5日夜、台湾と大陸の約4000人がクラブハウスを利用して中台関係について意見を交わした。7日には、新型コロナウイルスについていち早く警鐘を鳴らして当局から処分を受け、1年前に感染死した李文亮りぶんりょう医師を追悼する活動もあった。
 北京のIT企業で働く女性(27)は「こんな話題まで話せるのかと驚いた。(中国のSNS)微博(ウェイボ)ではあり得ない」と話す。当局の制限を受けない自由な会話の場について、微博では「インターネット史に残る瞬間だ」との書き込みもあった。
 クラブハウスでは、スポーツや芸能、音楽などさまざまな話題の「部屋」がつくられ、自ら発言することもできる。音声のみで録音が禁止されているため記録が残らず、気軽に発言できる。1日に米電気自動車大手テスラの創業者、イーロン・マスク氏がクラブハウスに登場したことで、中国でも人気に火がついた。政治的な話題に注目が集まる一方、中国では投資やIT技術などの話題が人気を集めているもようだ。
 特徴的なのは、登録には利用者の招待が必要なことだ。中国のネット通販サイトでは、利用者による招待コードの売買が行われている。50~300元(約800~5000円)の値段がつくが、利用者が増えるにつれて徐々に値下がりしている。
 しかし中国で利用者が今後も増える見込みは乏しい。米アップル社のiPhone(アイフォーン)でなければ利用できず、中国では普及の足かせだった。さらに習近平政権はネット上での世論の動きに神経をとがらせており、自由な言論空間を野放しにしないとみられる。香港紙、明報(電子版)は、クラブハウスを「ユートピア」と表現する一方で、その存続には悲観的な見方を伝えていた。

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