「生活保護を親族に知られたくない」…申請時の扶養照会見直し求め支援団体が厚労省に署名提出

2021年2月8日 18時43分

生活保護申請時の扶養照会の運用見直しを求める署名を提出する稲葉剛さん(右)ら=千代田区で

 新型コロナウイルス禍で生活困窮者が増える中、生活保護の申請時に自治体が申請者の親族に援助の可否をを尋ねる「扶養照会」について、困窮者支援団体が8日、「家族に知られるのが嫌で、生活保護の申請をためらう人がいる」などと運用の見直しを求め、3万5806人分の署名を厚生労働省に提出した。扶養照会を行うのは申請者が事前に承諾し、援助が期待できる場合に限るよう訴えている。 (中村真暁)
 生活保護法は、生活保護より父母やきょうだい、子など親族による扶養を優先する。各自治体では明らかに扶養できない事情がある人や長年交流が断絶している人、DV被害者などを除き、仕送りなどが可能かを問い合わせている。
 一般社団法人「つくろい東京ファンド」(東京)が昨年末から年始に、生活に困窮している人に行ったアンケートでは、生活保護を利用していない3人に1人が「家族に知られるのが嫌だから」と回答。「家族から縁を切られると思った」「今の姿を娘に知られたくない」などの声もあった。
 扶養照会により金銭的な援助があったケースも少なく、厚労省の担当者は「1、2%ほどになると思う」と話す。同法人には、自治体職員からも「意味がないのでは」という声が寄せられているという。
 同法人の稲葉剛代表理事は都内で記者会見し、「自分の尊厳を売り渡すような気持ちにさせられ、扶養照会は申請を阻害する最大要因となっている」と強調した。

関連キーワード

PR情報

社会の新着

記事一覧