<コロナ緊急事態>アンケート 深まる困窮 募る不安 

2020年5月10日 02時00分

LINEの「ニュースあなた発」でアンケートへの回答を募集した

 「派遣切りされる」「家賃ばかりかかる」。緊急事態宣言の延長に関する本紙のアンケートには、雇用への不安だけでなく、経営や必要な医療・介護を受けられないことにも悲痛な声が寄せられた。経済的な補償など政府の支援策が遅いことに、不満がくすぶっている様子もうかがえる。 (西川正志、渡辺聖子)

◆「収入絶えた」「家賃かさむ」

 自動車関連の製造業で働く栃木県の四十代女性は、母子家庭で子を養うが「五月いっぱいで派遣切りされる」と目前に迫る窮状を訴えた。「会社は通告の三日後にパートを十人募集していた。新型コロナのせいにして高い時給の人が切られる」と憤る。失業や収入減による生活困窮を訴えた人のうち「収入・仕事がなくなった」は二十人、「雇い止め・解雇された」も四人いた。
 経営者らも先行きに気をもむ。東京都調布市深大寺で土産物店を営む六十代女性は店をいったん閉めたが、「再開のめどが見えず家賃ばかりかかる」。子どもの居場所づくり活動をしている都内の四十代女性は「三月からほぼ全ての事業がなくなった。維持費だけがかさむ」と嘆いた。
 持病などを心配する声も。神奈川県の六十代女性は「心筋梗塞の夫の手術が延期されている」。都内の五十代主婦は「子宮がんの再検査をしたほうがいいと言われているが、感染が不安で行っていない」という。
 差別や偏見を挙げた人は18・6%いた。北海道の四十代女性医師は「自分が医療従事者だと外に漏れることが怖い」と吐露。知人宅の玄関に入った瞬間に消毒スプレーをかけられたという都内の六十代会社役員男性は「差別や身を守るためと称した攻撃的行動の増加が恐ろしい」とした。

◆「支援早急に」「判断遅い」

 政府の新型コロナ対策を評価するか聞いたところ「評価しない」は百七十七人、「どちらかといえば評価しない」は六十七人で、合わせて六割を超えた。理由は経済補償への不満が九十一人、対策の遅れが六十五人、PCR検査の件数の少なさを挙げたのが四十五人だった。
 東京都の四十代の投資家男性は、緊急事態宣言の一カ月延長によって「失業者が七十七万人も増えるという(エコノミストの)予測もある」と危機感を訴える。経済の回復には「自粛が解禁されるまで事業をつぶさないことが大切。政府は補助金や給付金を惜しみなく出すべきだ」と答えた。
 公文式教室を運営する都内の五十代女性は、宣言の発令も延長も「判断が遅すぎる。学校や企業の準備期間を考慮していない」と指摘。補償を含め「すべてが後手後手だ」とした。
 一方、「とても評価する」「どちらかといえば評価する」は計百二十四人で三割強だった。都内の四十代の女性看護師は「PCR検査が増えない現状で(宣言を)解除したら、また一気に感染が拡大するのは目に見えている」と延長を評価。都内の五十代の男性会社員は「地域ごとに宣言の解除を検討するのは評価できる」としつつ、営業再開で「三密」が懸念される施設には「人数制限の具体的な指標を出すべきだ」と注文した。

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