政府から独立を逃げ口上に…菅首相、森喜朗氏の進退には言及せず 学術会議では任命拒否したのに

2021年2月8日 20時27分
衆院予算委で答弁委に臨む菅首相

衆院予算委で答弁委に臨む菅首相

 東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長の女性蔑視発言を巡り、菅義偉首相は森氏の進退に関する言及を避けている。組織委が政府から独立した公益財団法人であることを理由に挙げるが、政府からの独立した審議を法律で定められた日本学術会議の新会員に関しては、一部候補の任命を拒否した。今回は対照的な対応となった。

◆組織委の顧問会議議長なのに

 首相は8日の衆院予算委員会で、森氏を巡り「私が進退を問題視すべきではない。組織委の中で決定してもらう」と話し、野党が森氏に辞任を促すよう求めたのに対し、自身は無関係であることを強調した。
 首相は組織委の顧問会議議長でもあり、組織委の定款では、顧問会議は法人の運営に助言できる。加藤勝信官房長官は同日の記者会見で、首相が森氏の進退について助言する可能性を問われ「(組織委が)自ら判断すべきだ」と答えた。
 日本学術会議の会員任命に関し、政府は過去の国会答弁で首相の任命を「形式的」と説明し、2004年に「首相が任命を拒否することは想定されていない」との内部資料をまとめた。それでも、首相は昨年、会議側が推薦した候補のうち6人の任命を拒否。拒否理由は語らず、自らの判断であることを強調し続けた。

◆対応に整合性なし

 上智大の中野晃一教授(政治学)は「昨年、五輪を1年延期した時も(当時の)首相が判断している。組織委が政府から独立しているとは誰も思っていない」と指摘。「学術会議のようにきちんと独立性が担保されなければならない人事に介入しておいて、組織委に対しては独立を理由に逃げている」と、整合性の取れない対応を批判した。 (井上峻輔、村上一樹)

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