日本画巨匠の偽版画が流通 10作品で確認 警視庁が捜査

2021年2月8日 21時46分
警視庁

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 平山郁夫さんや東山魁夷さん(ともに故人)ら有名画家の絵画を基にした版画の偽作が市場に流通していることが、業界団体「日本現代版画商協同組合」(日版商)への取材で分かった。会員だった大阪府の画商が日版商の調査に関与を認め、3画家の10作品で偽作が確認されたという。警視庁が著作権法違反の疑いで関係先を捜索し、捜査している。
 日版商によると、偽作が確認されたのは、平山さんの「流沙朝陽」や東山さんの「草青む」、故片岡球子さんの「桜咲く富士」など10作品。
 会員の画商らが、これらの作品が市場に不自然に多く出回っていることなどを不審に思い、昨春に調査を開始。大阪府の男性画商(52)に昨秋、事情を聴いたところ、奈良県の工房に依頼したと認めた。日版商は昨年12月、この画商を除名処分とした。
 真正の版画作品は、画家本人や遺族から許諾を得る必要があり、オークションや百貨店を通じて販売され、1点数十万~数百万円で取引されるという。
 そごう・西武は8日、約10年間にこの10作品計71点(計約5500万円)を販売したと発表。作品をいったん預かり真贋を鑑定し偽作と判明した場合には、販売価格で引き取るとした。大丸や松坂屋を運営するJ・フロントリテイリングは数十点を販売したとし、鑑定で偽作と判定された場合に引き取る。高島屋は販売した数点で既に返金対応を終えたとしている。
 日版商の青木康彦理事長は「良質な版画の普及と健全なマーケットの構築を目指してきただけにじくじたる思い。当人を強く批判し、迷惑をかけた関係者におわびする」と話した。

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