「引き続きご尽力を」五輪組織委理事からは森喜朗会長の辞職要求出ず 本紙アンケートに回答の14人

2021年2月9日 06時00分
 森喜朗会長の女性蔑視発言を巡り、本紙は、会長を解職する権限を持つ組織委の全理事34人(森氏を除く)の意向を探った。回答した14人からは辞任を求める声は出ず、退任を求める世論との開きが鮮明に。今夏の東京大会開催まで半年を切る中、穏便に済ませようという事なかれ主義や、もたれ合いの体質がにじむ。

合同記者会見をする東京2020組織委員会の森喜朗会長(右)とIOCのバッハ会長=2020年11月16日、東京都中央区で

 理事会は会長の選定や解職を決議する権限を持つ。理事には国や都の幹部や議員、スポーツ団体の幹部や元著名選手、経済界の代表者らが就任している。
 本紙は森氏が謝罪会見をした4日以降、森氏の発言内容や会見についての評価、会長職の進退について取材を試みた。14人が回答し、7人は拒み、他は回答が間に合わなかったり、連絡が付かなかったりした。
 パラリンピック競泳の金メダリスト成田真由美選手は「とても残念な発言だった。会見は冷静さを欠き、謝罪の感じが薄れてしまった」と指摘。ただ進退については直接答えず、「会長のというより、自分の背筋を伸ばさねばと思った。一人一人がやるべきことをきちんとすべき」とした。
 関西経済連合会の松本正義会長は「森会長も反省されていることと思う。大会開催に向けて今まで引っ張って、ここまできていらっしゃる。引き続きご尽力いただきたい」と回答。
 小山有彦都議(都民ファーストの会)は、謝罪会見について「都民、国民の納得を得られるものではない」と批判したものの、進退は「都に多くの抗議の声、ボランティア辞退の申し出がある。会長ご自身が判断されるべき」とした。(臼井康兆、原田遼、松尾博史、岡本太、唐沢裕亮)

◆組織委員会全理事への本紙アンケートの回答(要旨)

◇パラリンピック競泳の成田真由美選手
 森会長のというより、自分の背筋を伸ばさねばと思った
◇日本オリンピック委員会の山下泰裕会長
 本人が謝罪、撤回している。最後まで全うしていただきたい
◇日本サッカー協会の田嶋幸三会長
 発言は、五輪やスポーツ団体が目指す精神を表しているものではないと考える
◇関西経済連合会の松本正義会長
 引き続きご尽力いただきたい
◇高島直樹都議
 国際オリンピック委員会との信頼関係などを考えれば、引き続き尽力していただきたい
◇小山有彦都議
 進退は、森会長自身が判断されるべき
◇多羅尾光睦都副知事
 森会長が記者会見で話された通りだと考える
◇中村倫治都局長
 不適切な発言だった。準備に万全を尽くす
◇遠藤利明元五輪相
 発言を撤回し、おわびと反省を表明している
◇丸川珠代元五輪相
 深く反省し、おわびしたと承知している
◇馳浩衆院議員
 発言を撤回し、おわびしたと承知している
◇スポーツ庁の室伏広治長官
 スポーツ庁として、女性の輝くことのできる環境づくりに真摯に取り組む
◇組織委の武藤敏郎事務総長
 発言を撤回し、おわびと反省を表明している
◇文部科学省の布村幸彦元局長
 発言を撤回し、おわびと反省を表明している

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