#みんなの卒業式 「子の門出、参列させて」 東村山、小6の保護者ら474人署名

2020年3月21日 02時00分
 「お父さんもお母さんも来ないなら、卒業式をやる意味がない」。東京都東村山市の加藤昌広さん(37)の胸に、小学六年の長男(12)の言葉が突き刺さった。加藤さんら市内の保護者有志は十九日、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため小中学校で保護者不在の卒業式を実施・計画している市教育委員会に、保護者の参加を求める四百七十四人分の署名を提出した。 (服部展和)
 加藤さんは、安倍晋三首相が臨時休校を要請した翌日の先月二十八日、仕事帰りに自宅に電話し、卒業式に保護者が参加できなくなったと知り、長男と一緒に泣いた。「何もできなくてごめんね」と答えるのが精いっぱい。「心優しい長男が、こんなに悔しがるのは初めてだった」
 都内では、北区や東大和市などを除く多くの自治体で、卒業式への保護者の参加が認められている。「感染拡大防止の目的は理解できるが、保護者が参加する道はないのか」。市教委に掛け合ったものの、会場の体育館で隣の人と十分な間隔を空けるのが難しく、屋外での見送りは可能などと説明を受けた。
 率直な思いを会員制交流サイト(SNS)で発信すると、予想以上の反響があった。十七日にインターネットなどで署名を呼び掛けると、わずか三日間で四百人を超す署名が集まった。「このまま卒業式を迎えていいのか、もやもやしていた気持ちがすっきりした」と共感の声も寄せられた。
 市内の中学校で卒業式があった十九日、式を終えて帰宅した近所の中学三年の男子生徒に加藤さんが声を掛けると、生徒は「家族と一緒に卒業式をやりたかった」とつぶやいた。小学校の卒業式は二十五日の予定で、加藤さんは「子どもたちや保護者の思いが届いてほしい」と願う。

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