#みんなの卒業式 引っ越したばかりの私に話しかけてくれた友へ 「壇上から感謝伝えたかった」

2020年3月16日 11時31分

「卒業を祝う会」で合奏予定だった曲の楽譜を見る色さん=13日、東京都練馬区で

 「引っ越してきたばかりの私に話しかけてくれた三人の友達に、壇上で感謝の言葉を伝えたかった」。新型コロナウイルス感染拡大に伴う一斉休校で、卒業式が中止・縮小になった子どもや家族らの思いを伝える本紙「#みんなの卒業式」プロジェクトに、東京都練馬区の小学六年生からメッセージが届いた。今、どんな思いでいるのか。 (奥野斐)

◆学校までの15分 大切だった日常が突然切られて

 投稿してくれたのは、練馬区の公立小に通う色(しき)さん(12歳、名字は伏せています)。小学校入学と同時に小平市から転入してきた色さんは、引っ込み思案で、なかなか友達ができなかった。「どこから来たの?」「学校楽しい?」。一人で公園にいた時、同級生の女の子三人が声をかけてくれた。それから話すようになり、「どんどん友達が増えていった」という。
 二年生になると、登下校はいつも、三人に色さんを加えた四人になった。朝八時前に近くの十字路で待ち合わせ、十五分ほどの道のりを学校や先生のこと、好きな子の話もしながら通った。色さんがクラスの子と仲良くできないと相談すると、「相手の話を聞いてあげたらいいんじゃないかな」と三人がアドバイスをくれたこともあった。

3人の友達に初めて話しかけられた公園で思い出を話す色さん

 そんな五年間の楽しかった登下校は、臨時休校で二月二十八日朝が最後になってしまった。その日の朝、友達のお母さんがスマホで撮影してくれた写真には、小さくなったランドセルを背負い、黄色い帽子をかぶった四人の笑顔。母彰子さん(42)は「子どもの日常がプチッと切られたみたいで。何げない毎日が大切でした」と話す。

◆中学では自分から「声かけてみたい」

 休校で、頑張って準備してきた「卒業を祝う会」も中止になった。二月二十八日の予定だった。保護者や歴代の担任教諭を前に、約百五十人の六年生が合唱や合奏を披露し、壇上で一人ずつ感謝の言葉を伝えるはずだった。色さんはこの場で「いつもの四人で登下校できて良かったです」と感謝を伝えようとしていた。隊形移動のある合奏も毎日、必死で覚えていた。
 卒業式は二十五日、参列者を制限し、合唱もなくすなど縮小して行われる予定という。「『旅立ちの日に』も歌いたかったな」と色さん。
 卒業後は、仲良し四人組のうち、色さんたち三人が同じ中学校に進む。新しくやってみたいことを聞かれた色さんは「中学に行ったら、話したことない子にも声をかけてみたい」とはにかんだ。

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