竜鉄が市民遺産に 「活性化につなぐ」 龍ケ崎市で認定交付式

2021年2月10日 07時20分

昨年の開業120周年で記念ヘッドマークを取り付けて運行するディーゼル車=いずれも龍ケ崎市で

 龍ケ崎市内を走る関東鉄道竜ケ崎線(竜鉄)が、後世に伝えたい市の「市民遺産」に認定され、市役所で9日、認定書交付式が開かれた。新型コロナウイルス禍で乗客が激減するなど経営は厳しいが、昨年に開業120周年を迎えた市民の足は新たな勲章を得た。関係者は「地域の活性化につなげていきたい」と期待する。 (林容史)
 市は2015年、地域住民に親しまれている自然や歴史・文化的遺産を市民遺産に認定し、保護、活用する条例を制定した。自薦、他薦を受けて市文化財保護審議会が協議し、市教育委員会が認定する。認定は、竜鉄で14件目になる。
 これまでに「ほおずき市」(7月)や独特の形状と鮮やかな絵柄が特徴の「龍ケ崎とんび凧(だこ)」などが認定されてきた。市民遺産は、古くから伝わる祭りや神社が多いが、現役の鉄道は初めて。
 交付式では、平塚和宏教育長から、関東鉄道の宮島宏幸常務に認定書が手渡された。

かつての竜ケ崎線で、混合列車を引く4号機関車=1959(昭和34)年撮影、市提供

 竜鉄を市民遺産に推薦した市地域公共交通活性化協議会の十文字義之会長は「走っていること自体、竜鉄は地域の遺産。認定を活性化に生かし、市民のマイレール意識の向上につなげたい」と熱を込めた。
 中山一生市長は「明治時代には市の産業発展に貢献し、現在は特に学生たちの足となっている、市にとってなくてはならない公共交通機関。市民に愛される竜鉄を大切にしていきたい」と話した。
 宮島常務によると、昨年4、5月の政府による緊急事態宣言下、県立高校が一斉休校するなど乗客は半減。現在、定期利用の乗客は8割、一般客は6割ほどまで回復したというが、県独自の緊急事態宣言の影響もあり、「もう少し回復を期待していたが、きっかけがつかめないまま年度末を迎えた」と厳しい経営環境を説明した。
 一方で、昨年11月に竜ケ崎駅前で初めて開いた「ビールまつり」に市民ら600人が駆け付けるなど、地元の鉄路を守ろうと応援は続く。
 宮島常務は「市民に愛された結果、市民遺産の認定を受けたことを誇りに思う」と感謝するとともに、「支援を受けながら一日も長く路線を維持するため、われわれも努力を続けていく」と誓った。
 関東鉄道を応援する第7代関鉄レールメイトの竜崎ちはるさん(21)は「私鉄に乗るのが大好き。市内で名物のコロッケの食べ歩きをしてみたい」と笑顔を見せていた。
<関東鉄道竜ケ崎線> 龍ケ崎市内のJR常磐線龍ケ崎市駅と接続する佐貫駅と、市役所の最寄りの竜ケ崎駅を結ぶ4.5キロのローカル線。沿線の駅は入地(いれじ)を含め3駅のみ。1900(明治33)年、関東鉄道の前身の竜崎鉄道が竜ケ崎−佐貫駅で開業した県内で最も古い私鉄。71年には国内で初めて旅客列車のワンマン運転を開始した。

認定書を手にする十文字義之会長(右から3人目)と宮島宏幸常務(同2人目)。右端は中山市長

関連キーワード

PR情報

茨城の新着

記事一覧