パリのスーパーの宅配サービス、トラックやめてカーゴ付き自転車にします!意外にスイスイ、渋滞回避で時間も短縮

2021年2月10日 09時30分
パリのスーパー「モノプリ」前で、カーゴ付き自転車を運転する配達員

パリのスーパー「モノプリ」前で、カーゴ付き自転車を運転する配達員

 フランスのスーパー大手「モノプリ」がパリ市内の全53店舗で、購入者への商品宅配をトラックからカーゴ付き自転車に切り替えた。「100%エコな宅配サービス」のカーゴ付き自転車は、気候変動に関する国際枠組み「パリ協定」のお膝元・パリ市の推奨も追い風に、今後も快走が見込まれる。 (パリ・谷悠己、写真も)
 パリ中心部シャンゼリゼ通りに面したモノプリ前。青いカーゴ付き自転車を止めて待機中の配達員アヨーブさん(25)に聞いてみた。「重くないですか?」
 モノプリによると、1回の宅配でカーゴに載せる商品の重さは平均67キロ。商品が多い時は200キロに上ることもあるという。
 「電動自転車だから、こぐ時の重さはほとんど感じられませんよ。試しに乗ってみてはどうですか?」。記者が勧められるままに運転すると、驚くほど軽々と進んだ。確かにこれなら、宅配手段がトラックから自転車に代わっても配達員の負担は少なそうだ。
 住宅が密集するパリ市内のモノプリ店舗には駐車場が少ないため、50ユーロ(約6300円)以上の購入で無料になるカード会員向けの宅配サービスは需要が高い。だが、買い物客が増える夕方や週末は配達トラックが渋滞に巻き込まれることも多く、環境面でも配達時間の面でも課題を抱えていた。
 代替手段を模索していたモノプリは2019年、パリ市の環境モデル地区事業に参画。自転車先進国オランダなどで普及するカーゴ付き自転車を仏国内で開発しているスタートアップ企業「カリヨル」の車両を試し、好感触を得た。
 最大荷重250キロのカーゴを引く電動自転車は、石畳も多いパリの道をバランス良く進めるよう設計されている。モノプリは100台を導入し、配達作業を専門業者に委託。市内全店での宅配をトラックから切り替えるシステムを昨年構築した。今年も100台の追加導入を予定している。
 導入後、モノプリには消費者から環境面を評価する声が多く届いた。トラックの渋滞時に数時間かかることもあった宅配時間は、平均1時間以内に短縮できた。昨年はコロナ禍で消費者が店舗で直接購入する機会は減ったが、それでも60万回の宅配で4万トン超の商品をカーゴ付き自転車で届けた。モノプリの広報担当は「今後も導入できる都市を検討したい」と話す。
 環境政党「ヨーロッパエコロジー・緑の党」が行政運営に加わるパリ市も購入補助制度を創設し、カーゴ付き自転車を推奨している。車両を開発するカリヨルによると、受注高は18年が20台にとどまったのに対し、今年は450台を見込む。ビクトワール・ギルボー役員は「モノプリ以外にも環境配慮型の宅配を目指す企業が増えている」と手応えを感じている。

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