桂川、増える野犬 「行政は何を」「襲われないか警戒」京都

2019年4月9日 02時00分

上野橋付近で記者も野犬に遭遇した=3月29日、京都市右京区で

 京都市右京・西京両区の桂川河川敷で「野犬が増加している」「行政は何をしているのか」との声が読者メールなどを通じて相次いで寄せられ、現場に行った記者も野犬に遭遇した。数年前からすみ着いていた成犬が繁殖したとみられ、行政も餌を与えないよう呼び掛ける看板を追加したり檻(おり)で捕獲したり対策をとるが、抜本的な解決に至っていない。
 松尾橋右岸沿いの嵐山東公園(西京区)は子どもの遊び場だ。土手沿いを二匹の小型犬と散歩中だった会社員女性(33)は「野犬は大型の雑種で、散歩中に襲われたりしないかと最近は警戒している」と神経をとがらせる。記者が上野橋上流左岸(右京区)で夕刻に見た二匹は、河原で寝ていたが近づくと威嚇するようにほえた後、茂みに逃げ込んだ。
 近くの住民の話によると、数年前から松尾橋と上野橋間の左岸河川敷にすみ着いていたが、徐々に子どもを産んで増えたという。次第に川を泳ぐなどして北上し、三月上旬には渡月橋下流付近まで範囲を広げた。同じ時期に、桂川を管理する国交省淀川河川事務所は京都市医療衛生センターと連名で、注意喚起と餌を与えないよう呼び掛ける看板を渡月橋と松尾橋間に九枚追加し、十四枚とした。
 捕獲用の檻を二〇一三年ごろから設置している市医療衛生センターと動物愛護センターによると、昨年四月から今年三月下旬までに三十九匹を捕獲したうちの半数以上が子犬だったという。
 現在も十数匹がいるとみられ、日中でも茂みの中からたびたび鳴き声が聞こえる。警戒心が強く、人の目を避けて行動している。
 市医療衛生センターは「繁殖の要因となる、餌を与えないで」と訴えている。 (京都新聞)

通行人に注意を促し、餌を与えないよう呼び掛ける看板=同市西京区で

◆引き取り・殺処分 関東も目立つ

 環境省の二〇一七年度の調査では、犬の引き取りや殺処分は四国や九州に続き、東京・神奈川を除く関東で目立つ。
 殺処分で全国ワースト3の常連だった茨城県では、一六年に「犬猫殺処分ゼロを目指す条例」を設け、保護した犬猫の新たな飼い主を探す支援などを行い、一五年度で千二百七十九頭あった殺処分数を大幅に減らした。野犬化しないよう適正な飼育指導にも取り組む。野犬が多い理由について、県生活衛生課の担当者は「一戸建て住宅が多く犬を飼う人も多い。逃げ出して野犬化しても温暖な気候で子犬が越冬しやすい」と説明する。
 小池百合子都知事が五日、一八年度に「ペット殺処分ゼロ」を達成したと発表した都では、通報を受けて保護する件数も年間百頭を切る。一方、飼い犬も含めてかまれる事故は年間三百件ほどある。都は民間団体に委託して犬との接し方を教える授業を小学校で実施。犬は動くものを追う習性があるため、見かけたら追い掛けたり逃げたりせずじっと待つ「電信柱作戦」を呼び掛けている。 (石原真樹、中山洋子)

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