香取の佐原三菱館 建設当初の姿現す 「この先100年持つように」構造補強

2021年2月11日 07時47分

新しい銅板で保存修理され、光り輝く佐原三菱館=いずれも香取市で

 有形文化財として国指定への格上げなどを目指し保存修理工事が進められている香取市の三菱銀行佐原支店旧本館「佐原三菱館」の耐震補強と外観部分の工事が終わり、一年半ぶりに足場が外れて上半分が姿を現した。特徴的なドーム屋根が金属の光沢のある新しい銅板にふき替えられるなど、建設当初の形に生まれ変わった。 (小沢伸介)
 一九一四(大正三)年に建設されたレンガ造り二階建ての県指定有形文化財で、国の重要伝統的建造物群保存地区に指定された同市佐原の小野川沿いに広がる古い町並みを象徴する建物の一つ。
 東日本大震災で壁にひびが入るなどの被害を受け、立ち入り禁止となっている。
 銅板ぶきで全体が緑青色だった屋根は、本来の黒色の天然スレートぶきに戻した。越屋根やドーム屋根は新しい銅板で施工する一方、花綱模様の銅板飾りなどは従来のものを保存。このため見た目の色合いにムラがあるが、銅の経年変化で数十年後には緑青色で統一されるという。
 ドーム内側の土台の木材は黒く焼け焦げていた。地域住民らへの聞き取り調査で、昭和三十年代後半に近隣で火災が起き、その際に延焼した痕跡だったことが判明。こうした歴史を建築物に残すため、炭化した木材を新しい木材で挟み込んで補強した。
 二階上部の外壁に使っているアイボリー色のタイルは、大部分が元のものを流用しており、モルタルを注入して補強した。
 縦に細長い窓は、屋内からの操作で白い防火シャッターが下りた状態が見られる。これまでは上がったままだったが、歯車に油を差して動くようになったという。
 構造補強では、レンガ壁の内部に穴をあけて垂直に鋼棒を通したほか、二階の天井裏と回廊床にトラス構造の鉄骨を取り付け、耐震性を確保した。
 工事を担当する清水建設の樋山裕己さんは「百年以上の歴史がある建物を、この先百年は持つように施工している。内装工事で暖炉やらせん階段の復元などに取り組んでおり、来年三月までに完成させたい」と話した。

花綱模様の銅板飾りなど建設当時の装飾部材を残した屋根

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