森喜朗会長の続投シナリオを覆したのは市民の「声」 署名14万件、SNSや街頭デモで辞任への流れ

2021年2月12日 06時00分
東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長が辞任の意向を固めたことを伝える街頭ビジョン=11日、東京都千代田区で

東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長が辞任の意向を固めたことを伝える街頭ビジョン=11日、東京都千代田区で

 女性蔑視発言に加え、開き直りともいえる釈明会見後も政府や東京五輪・パラリンピック組織委員会が森喜朗会長をかばう中、会員制交流サイト(SNS)や街頭デモなど「許さない」という国内外の「個」のうねりが、続投のシナリオを覆した。
 3日の森氏の発言後、ツイッターでは検索用の記号となるハッシュタグ「#」を付け、森氏の発言を皮肉る「わきまえない女」や、関係者に発言を促す「沈黙は賛同」などの投稿が拡散。4日に署名サイト「Change.org」で森氏の処遇検討を求める署名活動が始まり、11日午後6時までに約14万6500件が集まった。
 陸上女子百メートル障害の寺田明日香選手(31)は5日、ツイッターで「#わきまえない女」を付けて、「多様性を大切にしている現代社会において残念なご発言」と呼応。これまで沈黙しがちだった現役選手も一部だが声を上げ始めた。11日は性暴力撲滅を訴える「フラワーデモ」が全国各地で行われ、森氏への批判が相次いだ。
 当初、組織委幹部は森氏を慰留し、国際オリンピック委員会(IOC)や与党幹部も辞任に後ろ向きで、大会スポンサーも沈黙していた。しかし批判に押される形で、スポンサーも続々「遺憾」の意を表明。10日にはトヨタ自動車が「沈黙してはいけない」とSNSを意識したかのような言及をした。
 ジャーナリストの津田大介さんは「今回の問題は10年前ならすぐに収束したかもしれないが、今は権力者もネットを無視できない。市民の声をスポーツ界の著名人や海外メディアが支持したことで、辞任への流れを作ったのではないか」と分析した。 (原田遼)

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