「街宣 いつ来るか分からない」 保守系団体活発化 川崎区桜本 広がる不安訴え

2021年2月13日 07時20分

地域に広がる不安を訴える(写真右から)崔江以子さん、山口良春さん、裵重度さん=いずれも市役所で

 全国で初めてヘイトスピーチに刑事罰を科した川崎市の差別禁止条例が施行された後も市内で街宣を続ける保守系団体に抗議し、市に迅速な対策を求めた「ヘイトスピーチを許さないかわさき市民ネットワーク」の十二日の要請行動。外国にルーツのある人たちが多く暮らす川崎区桜本地区の関係者も参加し「子どもたちを傷つけかねない」と、地域に広がる不安を訴えた。 (安藤恭子)
 「私たちはかつて桜本を襲ったデモで『朝鮮人帰れ』『死ね、殺せ』という言葉をまき散らされた。表現の自由は配慮しなければならないが、地域に住む在日外国人にも人権がある」
 桜本で民族差別をなくす活動を進める社会福祉法人「青丘社」の裵重度(ペェチュンド)理事長(76)は会見で、切々と訴えた。街宣の中身には「市議会の全会一致で、差別をなくし人権を守る条例ができたのに、またぞろ起きた街宣では『日本人差別条例』とされ、条例そのものが差別的だというデマを飛ばされている」と危機感をあらわにした。
 議会各会派への要請にも同行した裵さんは「告知があった以前のデモと違い、街宣はいつ来るか分からないというのが、嫌な雰囲気。『オール川崎』でできた条例が生かされるよう、議会も市を後押ししてほしい」と訴えた。
 桜本一丁目町内会の山口良春会長(81)は、昨年在日コリアンを標的とした「脅迫はがき」が届いた地元の多文化交流施設「ふれあい館」について「孤立させないように対応を」と市人権・男女共同参画室の担当者に強く求めた。「地域の者として在日も日本人も区別なく過ごしてきた。地域の平穏を侵す街宣が来るのもふれあい館のせい、とされ、分断されることが一番心配。今から地域一丸となって取り組む」と話した。

街宣への迅速な対策を求める声明を市の担当者(右)に提出する「ヘイトスピーチを許さないかわさき市民ネットワーク」メンバーら


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