青春×政治劇 大河ドラマ「青天を衝け」 あすスタート

2021年2月13日 07時32分

渋沢栄一を演じる吉沢亮

 NHK大河ドラマ「青天を衝(つ)け」が14日、スタートする。コロナ禍により前作が越年放送した影響で、2月スタートとなった。明治、大正期に活躍した実業家渋沢栄一(1840〜1931年)の物語を吉沢亮(27)の主演で描く。菓子浩・制作統括に物語や見どころを聞いた。 (鈴木学)
 スタートから当面は、古里・武蔵国血洗島(むさしのくにちあらいじま)村(現在の埼玉県深谷市)での渋沢らの青春期の物語と、外国船の到来などで緊迫する江戸の政治劇という二つの軸で展開する。
 「渋沢だけで描くと、ホームドラマとしては面白いが、時代を感じさせるのは難しい。江戸パートで当時の日本の状況が見えてくる。その中心が(最後の将軍)徳川慶喜で、渋沢の運命を変えるキーパーソン。カリスマ性がほしい役で草彅剛さんにお願いした」と明かす。
 渋沢の人生は、順風満帆ではなかった。農民から倒幕の志士を目指したのに、正反対の幕臣に。さらに明治新政府に呼ばれて従事した後に実業界に、と何度も立場が変わる。ただ何度逆境に陥っても生き抜き、そこで業績を残した。
 物語のヤマ場は、テロ計画で幕府に追われる身から、慶喜の家臣になるところが一つ。そして、一八六七年のパリ万博行きだ。
 「官民が対等な社会に衝撃を受け、外国を打ち払う攘夷(じょうい)思想を百八十度転換する。その考えを持ち帰ろうとする中で大政奉還で幕府がなくなる。ここが最大のヤマになると思う。現状パリ行きは難しいので、どう描くかを探っている」
 コロナ禍で準備が一時ストップし、二月スタートは仕方がないとする。感染対策を取りながらの撮影は時間がかかり、最終的な本数など未確定な部分も多くあるとする。
 「先行きが見えない時代は幕末と似ていて、『生き抜く』『めげずに進む』という伝えるべきメッセージがより明確になってきた。今だからこそ、多くの人に見てもらいたい」

「青天を衝け」の一場面。吉沢亮(手前)と高良健吾

 主演の吉沢亮がスタートに際し、渋沢栄一への思いなどを改めて語った。
 ◇ 
 生きることに寄り添ったドラマで、エネルギッシュで面白いと思える作品。一人の人間の一生を凝縮して体験できるのが大河ドラマ。役者として成長しないと太刀打ちできないので、自分の新しい扉がバンバン開いていると思う。渋沢栄一は、泥くさくても生き抜く、生命力にあふれた人物。大森(美香)さんが書く渋沢は、自分の信念から外れてしまう人間くささもあり、それも魅力。
 共演の方々に芝居を引き出してもらえている。父母役の小林薫さん、和久井映見さんには家族の空気感をつくってもらえているし、徳川慶喜役の草彅剛さんとのシーンは、草彅さんの存在感に負けないよう僕の熱量が上がります。 (談)

◆脚本の大森美香の話

 第一話を見て、強く温かい物語になっていると自負しており、新しい吉沢さんを見られた気がする。渋沢さんは慶喜さんを一生主君として立てていく。明治になってからも親交は続いていく。筋が通った人間としてうそのない人で、魅力を感じたその部分は、最後まで丁寧に描いていきたいと思っている。

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