「ひとりじゃない」音楽動画で被災地に笑顔と勇気 洗足学園音大生らリモート演奏会で配信<東日本大震災10年>

2021年2月13日 16時00分

リモート被災地支援演奏会に参加した学生たち。動画の一部分=洗足学園音楽大学提供

 ♪ひとりじゃない深い胸の奥でつながってる―。洗足学園音楽大(川崎市高津区)の学生らは、東日本大震災の被災地に寄り添う思いを伝える音楽動画を制作し、無料配信している。学生や教職員は震災後、被災地でボランティア活動したり、チャリティーコンサートを開いたりしてきたが、コロナ禍で支援は困難に。それでも、10年の節目を迎える被災地に「笑顔と勇気を音楽で届けたい」と願う。(安田栄治)

◆卒業生の歌手平原綾香さんの「Jupiter」など編曲

 動画で学生たちが歌い、演奏するのは、卒業生の歌手平原綾香さんのヒット曲「Jupiter(ジュピター)」と、その基となったホルスト作曲の「組曲『惑星』より~木星~」の2曲を独自に編曲した約6分の楽曲だ。丁寧に歌い上げる合唱、一部にジャズも採り入れた軽快なメロディーは、聞く人の気持ちを明るくする。
 制作に当たって、学生たちは感染防止のため、一人一人が日時を変えるなどしてバラバラに演奏、収録した。動画はそれを編集して、60人の大編成アンサンブルにまとめた。真っ白な衣装に身を包んだバレエコースの学生が、曲に合わせて笑顔で踊るパフォーマンスも収められている。

動画に収録されているバレエコースの学生のパフォーマンス=洗足学園音学大学提供

 同大は2011年4月に被災地支援推進チームを立ち上げ、ボランティア活動に参加するだけでなく、毎年3月に学内で、秋には被災地でチャリティーコンサートをしてきた。しかし、コロナ禍で昨年は中止に。今年3月のコンサートも中止が決まり、被災地に思いを届けられずにいる。

◆「現地の人たちとつながってきた私たちだからこそ」

 学生たち自身も行動が制約される日常に苦しんできたが、「ボランティアで現地の人たちとつながってきた私たちだからこそできる支援はないか」とアイデアを出し合った。バレエコース4年の高山まりさんが音楽動画を発案したという。
 完成した動画「リモート被災地支援演奏会」は1月15日から同大ホームページの公式YouTubeで配信している。

指揮者は昨年の卒業生の男性が務めた=洗足学園音楽大学提供

 高山さんは「コロナ禍でやれることは限られるが、自分たちでできることをした。被災地に私たちの音楽を届けたい。Jupiterの歌詞にあるように、この状況だからこそ『ひとりじゃない』ことを感じてもらえたらうれしい」とコメント。学生たちの思いが詰まったJupiterは東北へ、そしてコロナ禍に苦しむ全国や世界の人々にも流れ、広がっている。

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