鬼滅コスプレも!? ミャンマーの若者「Z世代」はドレスやSNSで銃に抵抗

2021年2月14日 06時00分

ミャンマーの最大都市ヤンゴンで11日、伝統衣装姿でデモ行進する若者ら(本紙助手撮影)

 【バンコク=岩崎健太朗】ミャンマーのクーデター政権への抗議デモは、若者らが仮装やドレス姿で街頭に繰り出し、平和的な抵抗のうねりをつくり出している。国軍政権は神経をとがらせ、外出禁止令が出されている夜間の急襲で、ストライキを続ける医師やデモ参加者らを拘束する動きを強めている。

◆「力に力ではダメ 平和的、継続的に闘う」

 「独裁はいらない。私は彼氏がほしいだけ」と書いた紙を手にした若い女性。ウエディングドレス姿のカップルは「結婚式は待てるが、抗議するのは今だ」と手製のプラカードを掲げる。上半身裸のボディービルダーやきらびやかな伝統衣装姿、映画スパイダーマンや「鬼滅の刃」のヒロインのコスチュームを身にまとった人も。こうした若者らの姿がネットを通じて国内外に発信されている。

12日、ミャンマーの最大都市ヤンゴンで、ドレス姿でデモ行進する若者ら(本紙助手撮影)

 1990年代中盤以降生まれのZ世代と呼ばれる10~20代は、香港やタイでもデモの中心となった。子供のころから親しんだネットを駆使し、無用な衝突を避けながら運動を拡大。ヤンゴンの集会に参加していたエンジニアの男性(26)は「銃を所持する軍に力では対抗できない。平和的、継続的に闘うしかない」と訴えた。
 国軍政権への抵抗は、夜一斉に鍋やフライパンを打ち鳴らす抗議に始まり、医師や教員らが呼び掛けた「不服従運動」から街頭に拡大。不服従運動は公務員、銀行、鉄道、エネルギー関係の労働者らが続き、SNSには各地で警官がデモに加わる映像も投稿された。

◆国軍、不服従の医師ら一斉拘束

 一方、国軍側は平和的な抗議の制圧に各地でデモ参加者の拘束を加速させている。ミン・アウン・フライン総司令官は11日の声明で取り締まり強化を表明。「一部の扇動により、一部の公務員が職務遂行を怠った。法的措置を講じる必要がある」と警告した。地元メディアによると、深夜に警官や兵士が医師や公務員、デモ参加者らの自宅から令状なしで連行するケースが相次いでいる。政府系病院の医師で不服従運動に加わる女性(29)は「仕事は重要だが、国の未来も重要だと軍に思い知らせるために団結している」と語った。

◆13日は「独立の父」の記念日、抗議デモ拡大

 【バンコク=岩崎健太朗】ミャンマー国軍のクーデターへの抗議デモは13日も各地で続き、参加者はアウン・サン・スー・チー氏らの即時解放を訴え、国際社会に支援を呼び掛けた。
 現地からの情報によると、国軍政権が夜間帯を狙った市民の拘束を加速させているとして「日中は銃口を向け、夜の安全も奪った」との非難のメッセージを掲げる市民が目立った。この日はスー・チー氏の父で、軍創設者の1人として「独立の父」と慕われている故アウン・サン将軍の誕生日。ヤンゴンでは将軍の銅像前でデモ参加者が敬礼や黙とうする姿もみられた。

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