2020年GDP、コロナ禍で史上2番目の落ち込みに 前年比4.8%減でリーマン・ショック以来のマイナス成長

2021年2月15日 11時59分
 内閣府が15日発表した2020年の国内総生産(GDP)は物価変動の影響を除いた実質で前年比4・8%減となり、リーマン・ショックの影響があった09年(5・7%減)以来、11年ぶりのマイナス成長となった。統計がある1955年以降では、09年に次ぐ2番目の落ち込み幅。新型コロナウイルスの感染拡大により、国内外で経済活動が抑制され、記録的な景気後退が裏付けられた。
 同時に発表された20年10~12月期の実質GDP(季節調整値)は前期比3・0%増、このペースが1年続くと仮定した年率換算では12・7%増。緊急事態宣言の影響で戦後最悪の3割近い落ち込みとなった4~6月期を底に、2・四半期連続で高成長を維持したが、前期の年率22・7%増からは回復ペースは鈍った。
 年末にかけ経済活動を抑制しなかった結果、感染者は急増。11都府県に緊急事態宣言が再発令され、21年1~3月期はマイナス成長に転じる可能性が高まっている。
 20年通年では、GDPの半分以上を占める個人消費が前年比5・9%減と、リーマン時を上回る悪化幅を記録。輸出は12・3%減で、企業の設備投資、住宅投資などとともにリーマン以来の大幅な落ち込みとなった。
 一方、10~12月期の高成長の要因は、政府の需要喚起策の「Go To事業」により外食などが好調だった個人消費(前期比2・2%増)と、自動車産業に支えられた輸出(11・1%増)。企業の設備投資も4・5%増で、3・四半期ぶりのプラスとなった。
 実質GDPの実額(年換算)は542兆円で、コロナ前の19年10~12月期の548兆円にまだ及ばない。 (森本智之)

◆1~3月期の急落確実…家計や企業に迅速な支援を

 <解説>2020年10~12月期のGDPはプラス成長を維持したものの、「GoToキャンペーン」といった政府の消費喚起策などによる追い風参考記録にすぎない。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言の再発令で、次期(21年1~3月期)の急落は確実で、マイナス成長に転じる可能性が高い。
 10~12月期は観光業支援に加え、昨年10月から始まった飲食店での消費喚起策が功を奏した。しかし、感染者数が全国で増え始めた12月に状況が一変。「GoTo」は一時停止に追い込まれ、飲食店に営業時間の短縮を要請する自治体も出た。
 今年に入り、宣言に伴う外出の自粛要請が消費の停滞により拍車を掛けている。現場で働く人に景気の実感を聞き取る1月の調査では、前回宣言時の影響が残った昨年5月以来の低水準となった。サービス業を中心に厳しさを訴える声が目立った。
 東京都や大阪府など宣言が再発令された11都府県で、GDPは国内全体の半分超を占める。エコノミストの間では「次期はマイナス成長」との見方が相次ぐ。前回宣言時に続く景気の失速が迫る中、家計や企業への迅速な支援が必要だ。(大島宏一郎)

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