東日本大震災を耐えた築100年の木製門扉が根こそぎ…住民絶句 福島県沖地震

2021年2月15日 11時36分
「100年前からあった門扉が倒れてしまった」と話す粟野章さん。根こそぎ倒れ、瓦が飛び散っている=福島県桑折町で

「100年前からあった門扉が倒れてしまった」と話す粟野章さん。根こそぎ倒れ、瓦が飛び散っている=福島県桑折町で

 宮城・福島両県を13日深夜に襲った地震で震度6弱を観測した福島県北部の桑折町こおりまちの住宅では、高さ3メートルを超す築約100年の木製門扉が根こそぎ倒れた。2011年の東日本大震災を耐えた門扉は無残な姿に。住宅を所有する粟野あきさん(76)は「こんな大きな地震がまた来るなんて」と絶句した。 (片山夏子)
 門扉はつんのめったようにひっくり返り、上部にあった瓦がめちゃめちゃに割れて、住宅前を走る計2車線の道路の片側1車線をふさいでいた。
 13日午後11時すぎ、粟野さんは布団に入った直後に、縦とも横とも区別がつかない激しい揺れで跳び起きた。頭によぎったのは10年前の東日本大震災。「とにかく揺れたら火を消さなきゃって」。停電の中、枕元の電池式ライトをつけて勝手口からヘルメットを取り、ストーブを消し、ガスの元栓を切った。
 天袋の底が抜け、神棚が落ちるなど家の中はぐちゃぐちゃ。もう1度、大きな揺れが来るかと身構えた。揺れがだいぶ収まると素早く着替え、ダウンのコートを羽織った。ストーブの近くでほんのりと温まっていたペットボトルの湯で紅茶を入れた。ほっと一息つけた。
 門扉が倒れていると教えてくれたのは近所の人。夜中に警察官が来て、門扉周辺を立ち入り禁止にした。14日朝まで断水が続く中、眠れぬ一夜を過ごした。
 粟野さんは万一に備え、薬やマスク、非常食などをひとまとめにし、枕元にはラジオも置いていた。10年前は雪が降ったこともあり、レジャーシートやレインコート、小型コンロも用意していた。「新型コロナウイルスだけじゃなく、震災を忘れては駄目だということなのか」
 近所に住む女性(66)は「10年前よりも揺れがひどく感じた」と震えた。停電した上、断水が起きた。屋根から瓦が落ち、雨漏りも心配だ。「これだけひどい揺れで、死者がいないようなのは救い」とつぶやいた。

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