埼玉県・大野元裕知事「罰則の積極的活用はあり得ない」改正コロナ関連法 本紙アンケート回答

2021年2月15日 15時20分

大野元裕・埼玉県知事

 新型コロナウイルス対応の改正関連法の施行を前に、本紙が埼玉県の大野元裕知事に行ったアンケートの質問と回答は以下の通り。
Q1 法改正により命令違反者に行政罰の過料を科すことができるようになります。対策の実効性を高める効果が期待される一方、保健所などの負担増を懸念する声もあります。知事は13日の施行後、「感染症法」と「特措法」それぞれの罰則を積極的に使う考えはありますか。理由も教えてください。罰則の運用で懸念することがあれば教えてください。
A1 各法においての目的は国民の生命及び健康を保護し、国民生活及び国民経済に及ぼす影響が最小となるようにすること、感染のまん延防止である。罰則については、人命に関するものであるため、最終的な担保であり、お申し越しのように「罰則を積極的に使う」ことは特措法でいえば第5条に抵触する恐れもあり、あり得ない。最終的に過料を科すことができるという担保により、感染拡大を防止するためのさらなる抑止効果につながるものと考えており、まずは、県民、事業者の皆さまに感染拡大防止対策について丁寧に説明しご協力をいただけるようお願いしていくことが大切だと考えている。
Q2 政府は罰則導入について全国知事会からの要望だと説明してきました。特措法と感染症法の運用について、知事はこれまでのコロナ対応で罰則を設ける必要性を感じていましたか。保健所など現場から要望がありましたか。感染症法については刑事罰と行政罰、どちらが適当だったと考えますか。
A2 本県では、昨年4月の緊急事態宣言時に、パチンコ店を含む幅広い業種に対し営業自粛の協力をお願いしたが、一部でご協力をいただけない店舗が見られた。休業は損失を伴うため、休業等の要請には適切な補償を行うとともに、抑止的視点から協力いただけない場合に備え、特措法についても罰則などを規定することも必要と考えていた。また、宿泊療養施設や自宅での療養については、これまで法的な根拠がなかった。また、陽性者に対する、保健所による積極的疫学調査や健康観察についても、実効性を確保できるような規定がなく、感染拡大防止、ひいては人の命を守るために実効的な措置を欠いていた。特措法第四条に規定されているとおり、感染された方、事業者ともに感染拡大防止の観点からの協力は義務であるが、そのようになっていない以上、人の命を守り感染拡大を防止するためには、法的担保が必要と国に対して要望してきたところである。その一方で、これまで施設から抜け出す等により感染拡大の可能性があった事例、抜け出し揚げ句に立ち寄った事業所等を消毒等のために閉鎖に追い込んだ事例などはいずれも、病院入院者ではなく、宿泊療養施設入所の無症状者であった。感染症の法目的が感染拡大防止にあり、陽性者の容体とは何ら関係がない中、病院への入院勧告の権限がある一方で療養施設への入所勧告が盛り込まれなかったことは、現場としては大きな問題で、法的不備の継続と考える。なお、感染症について、刑事罰と行政罰、どちらが適当だったかについて意見を述べる立場にはないが、専門家から刑事罰に慎重な意見があり、協議の上行政罰としていくことを決めたと聞いており、それが適切であったと考えている。
Q3 改正法には事業者への国・地方自治体の財政支援の義務規定が盛り込まれました。国による現行の財政支援は十分だと考えますか。国会で野党が主張している事業者の規模に応じた支援に変更するなど、財政支援について国に対する要望はありますか。
A3 財政支援について、現時点で特に国に対応をお願いしたい事項は下記の2点である。感染症法等に基づく行政検査の地方負担分の財政措置について、緊急事態宣言の再延長に伴い、改正された基本的対処方針では、特定都道府県に対して、感染多数地域における高齢者施設の従事者等の検査の集中的実施計画を策定し、令和3年3月までをめどに実施するよう求めている。国は、行政検査の費用について、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の算定基準としてはいるものの、感染症予防事業費等負担金の地方負担分に直接充当することは認めておらず、その費用に対する財政措置はない。地方負担分の負担がすでに過重となっている特定都道府県に対し大規模な実施を求めるのであれば、その費用は国の責任において全額負担すべきである。(2点目の)新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金について、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の配分にあたっては、直近の感染者数や医療需要など感染状況の実態や支給対象事業者数などが的確に反映されていない。経営への影響の度合いなどを勘案した新たな協力金をつくる際は、地方自治体間で異なる制度とならないよう、国の責任で制度を構築し全額国の負担としていただきたい。特定都道府県の財政負担は非常に大きいことから、予備費の活用などによって、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を積み増すなどにより、国として必要額を確保していただきたい。また、資金繰りに支障がないよう、ぜひ速やかに交付してほしい。また、さまざまな措置を講じるためにはしっかりした準備が必要であるが、今回の緊急事態宣言やその延長などの際には、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の限度額や措置の元となる対処方針がぎりぎりになって示されてきた。地方が時期を問わず必要な対策に機動的な対応ができるように改善していただきたい。
Q4 今後のコロナ対策で政府に望むことがあれば、教えてください。
A4 コロナ禍が長期化する中で、地方自治体の財政状況はさらに厳しくなることが見込まれる。地方自治体の財政力により感染拡大防止対策に格差が生じないよう国において財源の確保をお願いしたい。基本的対処方針に示された、感染多発地域における高齢者施設の従事者等の検査の集中実施について、特定都道府県に対し大規模な検査の実施を求めるのであれば、その費用は国の責任において全額負担することをお願いしたい。
※他都県のアンケート回答はこちら

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