調布陥没で住民説明会 補償問題は「肩透かし」 振動や騒音防止策なく第三者の検証求める声も

2021年2月16日 07時11分

東日本高速道路による住民説明会後、報道陣の取材に応じる被害住民ら=調布市で

 東京外郭環状道路(外環道)のトンネル工事の影響で調布市の住宅街に陥没や三つの空洞が生じた問題で、外環道事業を進める東日本高速道路や国土交通省は十四、十五の両日、地元住民向けの説明会を開いた。住民からは補償に関する質問が相次いだが、事業者側から具体的な回答はなかった。住民らは「肩透かし」を食らった格好。第三者委員会による中立的な原因究明を求める声も上がった。 (花井勝規)
 説明会は、東日本高速の有識者委員会(小泉淳委員長)が、トンネルを掘るためのシールドマシンの施工ミスと、特殊な地盤が絡む複合要因によって陥没や空洞が生じたとする調査結果を十二日に発表したことを受けて開かれた。
 事業者側は、夜間は休止していた掘削作業を翌朝に再開する際、マシン内部に土砂が詰まってカッターが計十六回も回転不能に陥ったことや土砂を取り込みすぎた経過などを報告した。
 複数の住民が「(現地の地盤状況を確認する)事前ボーリング調査が不足していた。瑕疵(かし)ではないか」と指摘。事業者側は事前ボーリング数の不足は認めながらも、代替手段で「地盤特性は把握していた」と釈明した。有識者委の調査が陥没や空洞を生じさせたメカニズムに偏り、多くの住民が工事で悩まされた騒音や振動への言及がない点には「住民軽視だ」などと不満の声が出た。
 住民の質問の約半数は、今後二年をかけて外環道のルート上約三百六十メートルの範囲で地盤の緩みを補修する工事、周辺約千戸に住宅の損傷被害などを補償する方針についてだったが、事業者側は「具体的な話は今後検討したい」などと答えるにとどまった。
 被害者住民らでつくる「外環被害住民連絡会・調布」は説明会場前で声明を発表し、住民らが苦しんだ振動や騒音に対する十分な調査が行われず、具体的な防止策も示されていないことに不満を示した。その上で「重大な過失に対する反省はなく、地下の地盤を緩ませた責任の重大さを真摯(しんし)に認める姿勢は示されなかった」と抗議。有識者委に代わる第三者委員会の設置で中立的な立場で事故の検証作業を行うよう求めた。

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