<緊急事態 新型コロナ>墨田区、在宅患者へ看護師訪問 重症化防ぎ安心確保

2021年2月17日 07時22分

都訪問看護ステーション協会会長で、区内で訪問看護ステーションを管理する椎名さん=墨田区で

 新型コロナウイルスの感染拡大で病床が逼迫(ひっぱく)し、増加した自宅療養者や入院待ちの感染者の容体が急変するリスクが叫ばれた中、墨田区では在宅の患者を区と連携した訪問看護師が訪れ、重症化を未然に防ぐ健康観察を一月八日から始めた。従来は保健師の役割だった自宅での安否確認業務を引き受け、日ごろから地域医療を担う訪問看護師ならではのきめ細かな看護で、在宅患者の安心を確保する狙いがある。 (長竹祐子)
 現在、区内で入院待ちの感染者は一月二十八日以降ゼロが続いているが、都内の一日当たりの感染者数が千五百人を超えていた同月中旬には、区内で訪問看護ステーションを管理する椎名美恵子さん(都訪問看護ステーション協会会長)は一日に五〜六人の看護師を感染者宅に派遣した。
 訪問看護師は感染者の自宅前に着くとまず防護服を着用する。玄関のチャイムを押して玄関先まで歩いてきてもらい、血圧や血中酸素濃度などを測定し、屋内で体調や困り事を聞く。
 「看護師が訪問してみると、容体が悪化していて救急車を要請して入院につながったこともある」と椎名さん。また夫婦で感染して孤立していた人には、区の食料支援につなげたこともあったという。「電話で大丈夫といっても、自宅に行くと大丈夫じゃないことがわかる。行く価値は大きい」と強調する。
 区では現在、自宅療養者に一日一回以上、保健師が電話で安否確認を行っている。訪問看護師と連携前は、電話の様子が気になる患者には保健師が二人一組で訪問して安否確認し、一件の対応に数時間を要したという。現在は保健師から椎名さんに訪問要請が入ると、区内の訪問看護ステーションに当番制で待機する看護師が、区役所で防護服や、指先に挟んで血中酸素濃度を測定するパルスオキシメーターなどを受け取り、患者宅に行って結果を区に報告する。

訪問看護師が患者宅に持参する防護服や消毒液、パルスオキシメーターなど=墨田区提供

 椎名さんの所属する都訪問看護ステーション協会墨田支部では、PCR検査センターや発熱外来に訪問看護師が従事しており、四月からのワクチン接種でも人材として期待されているという。
 区保健所の西塚至所長は「二十代の感染が減っても、高齢者の感染は後を絶たない。軽症や無症状から突然重症化することもあるので、訪問看護で在宅をしっかり守っていただきたい」と連携に期待を寄せている。
<訪問看護> 病気や障害のある人が自宅で安心して暮らせるよう、看護師が自宅を訪問して、主治医の指示による健康状態の観察、点滴、注射などの医療処置、服薬管理、家族の支援などの看護を行う。日本訪問看護財団によると、訪問看護師が所属する訪問看護ステーションは全国に約1万400カ所(2018年4月現在)あり、地域医療を支えている。

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