ゴジラと京急 土屋武之さん

2018年8月28日 02時00分
 1954年に公開された「ゴジラ」を映画館で見た観客は、その恐ろしさに震え上がったことだろう。怪獣というものを目の当たりにしたのは、この時が初めてだったのだから。
 最初、品川に上陸したゴジラは、EF58形電気機関車がけん引する列車を蹴散らし、八ツ山橋を破壊する。実はこの時に引きちぎられたのは、当時はアーチ橋だった第1京浜国道の跨線橋(こせんきょう)ではなく、鉄骨組みのトラス橋だ。並行して架かっている、京浜急行電鉄の橋の方である=写真。
 ゴジラが2回目に上陸した時は、銀座和光の時計台や国会議事堂、勝鬨(かちどき)橋など、東京の有名建造物を次々と壊して回った。後の怪獣映画、特撮テレビ番組では、その都市のシンボル的な建物が怪獣の餌食になるシーンが定番になったが、その「第1号」は、京急が東海道線をまたぎ越している鉄道橋だったのだ。
 2016年公開の「シン・ゴジラ」でも、京急は北品川で800形電車が投げ飛ばされて破壊されるという被害を受ける。フィクションとはいえ、東京湾に近いところを走る鉄道の宿命ということかもしれない。

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