「動物虐待動画で精神的苦痛」損害賠償求める 動物愛護に関わる6人が投稿者を提訴<さいたま地裁>

2021年2月17日 20時26分
 インターネット上で拡散された猫の虐待動画を見て精神的苦痛を受けたとして、東京、神奈川など5都府県に住む女性6人が、動画を撮影・投稿した埼玉県内の男性に660万円の損害賠償を求め、さいたま地裁に提訴したことが分かった。17日に第1回口頭弁論があり、男性は「自らに責任はない」とする趣旨の答弁書を提出した。(近藤統義)
 訴状によると、男性は2016年3月~17年4月、猫に熱湯や爆竹を浴びせたりガスバーナーであぶったりする虐待行為を繰り返し、自ら動画に撮影。その一部をネット上に投稿し、多くの人が見られる状態にした。

◆残酷な内容を目にしてPTSD、うつ病と診断

 動物愛護の活動に関わる原告6人は、この動画をツイッターやユーチューブで目にし、残酷な内容のため心的外傷後ストレス障害(PTSD)やうつ病と診断された人もいるとしている。
 被告の男性は猫13匹を殺傷した動物愛護法違反の罪で、17年12月に東京地裁で執行猶予付きの有罪判決を受けている。
 動物虐待を巡っては、昨年6月に施行された改正動物愛護法で、殺傷した場合の罰則が強化された。一方で動画の公開や流通を禁止する法律はない。原告側は今回の集団訴訟を通じて「虐待動画が事実上野放しにされている現状への抑止力や、規制に向けた後押しになれば」としている。

◆「表現の自由超え、放置すれば犯罪誘発」

 動物愛護の問題に詳しい植田勝博弁護士(大阪弁護士会)は「残酷な犯罪行為を動画で垂れ流し、嫌悪感を与えるのは社会のルール違反で、表現の自由を超えている。これを放置すれば犯罪を誘発しかねず、法律などで規制すべきだ」と指摘している。

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