重度障害者らが自宅にいながら接客スタッフに 「分身ロボットカフェ」日本橋に開店へ

2021年2月18日 07時10分

期間限定で開かれた「分身ロボットカフェ」=オリィ研究所提供

 重度障害者らが自宅から「分身ロボット」を操作して、接客スタッフとなるカフェが六月、中央区の日本橋エリアに開店する。外出が困難なため、就職をあきらめていた人たちを支援する。エンジニアも常駐し、実際の接客で分かった課題を集めてロボットの改良につなげる研究拠点にもする。 (浅田晃弘)
 ロボット開発ベンチャー「オリィ研究所」(港区)が手掛ける「分身ロボットカフェ DAWN ver・β」は、据え置き型の高さ二十センチの「OriHime(オリヒメ)」と、高さ百二十センチで走行ができる「OriHime−D」が接客をする。
 テーブルの上で「OriHime」がオーダーを取り、「OriHime−D」がメニューを運ぶ。いずれも額のカメラが撮影した動画を、離れた場所にある端末へと届ける。障害者は端末を操作し、ロボットを動かす。マイクによる会話もできる。声が出せない人はスイッチや視線で文字盤を指して言葉を発する。
 オリィは二〇一八年から昨年一月まで、虎ノ門や大手町、渋谷で四回にわたり、期間限定の「分身ロボットカフェ」を開いた。計約四十日の営業期間中、延べ五千人が来場した。
 筋肉が少しずつ動かなくなる筋萎縮性側索硬化症(ALS)や脊髄性筋萎縮症(SMA)など難病患者のほか、海外に住む日本人女性も分身ロボットを使い、接客を務めた。この女性は日本で働きたいという強い希望を持ちながら「距離」を理由にあきらめていた。オリィは、これを「距離障害」と呼んでいる。
 分身ロボットカフェで接客技術を磨き、企業への就職に成功する参加者も生まれた。手応えを感じたオリィは昨年夏、分身ロボットを使ったテレワークの人材紹介サービス「AVATAR GUILD(アバターギルド)」を始めた。自治体からの問い合わせが増えているという。
 オリィ広報担当の浜口敬子さんは「新型コロナで誰もが外出困難者となり、オンラインでの会話や出会いの機会が増えている。カフェの取り組みから、社会とつながるための新しい方法を広めていきたい」と話している。

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