<ふくしまの10年・伊達東仮設 7年の日々>(4)暮らすならきれいに

2021年2月19日 08時11分

仮設住宅が建てられたグラウンド周囲で草刈りをする避難住民=2016年10月、伊達市で(豊田直巳さん提供)

 仮設住宅での不自由な避難生活はいつまで続くか分からない。それなら、少しでも晴れやかな気持ちで暮らせる場所にしたい。福島県飯舘村からの避難を受け入れてくれた地元にも感謝を伝えたい−。
 二〇一一年八月から伊達東仮設住宅(伊達市)への入居が始まり、自治会長となった農家、佐藤忠義さん(76)はこう考えた。
 建設地のグラウンド周囲には桜並木があるが、地元では茂る雑草に手を焼いている様子だった。一方、農家が中心の避難住民は草刈り機を持っていて時間もある。
 そこで始めたのがグラウンドを一周する植栽。男性陣が草を刈り、女性陣が仕上げの草抜きをしていく。きれいになった地面には、菜の花やミニヒマワリ、マーガレット、コスモス、スイセンなど季節の花を植え、一気に暮らしの息遣い、華やいだ雰囲気に包まれた。
 一一年十月には歌手の普天間かおりさんが、支援イベント「スマイルアゲイン〜花と歌の力〜」と題して来訪。その際、チューリップの球根二千五百個をプレゼントした。
 「このチューリップが咲くころまた会いましょう」の言葉通り、翌年四月下旬、再び訪れた普天間さんを、見事に咲きそろったピンクの花が出迎えた。
 佐藤さんは「二回も歌を聴かせてもらった上に、親しく交流もさせていただいた。避難生活は大変だったが、恵まれてます」と振り返った。
 ◇ご意見はfukushima10@tokyo-np.co.jpへ

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