【動画あり】コロナで苦しむ人に「折りハト」を パリの美術館でプロジェクト、1羽1€を寄付

2021年2月20日 12時00分

オリガミ・フォー・ライフを発案したシャルル・ケザンさん

 日本に愛着を抱くベルギーの現代美術家シャルル・ケザンさん(48)が、折り紙のハトを公募して大きな木のオブジェを組み立てるプロジェクトを、フランスのパリ市立近代美術館で進めている。後援財団を通じて1羽あたり1ユーロ(約128円)が生活困窮者の支援団体に寄付される。欧州でも定着する「ORIGAMI」が、新型コロナウイルス禍の冬に苦しむ弱者を救う、命の木に生まれ変わる。(パリ・谷悠己)

◆千羽鶴のように願いを込めて

 「2D(平面)の紙が3D(立体)の造形美に生まれ変わることに感動した」。ケザンさんは20年前、京都留学中に折り紙に魅了されて以来、自身の創作活動に取り入れてきた。

1月、フランスのパリ市立近代美術館に飾り付けられた折り紙のハトによる木のオブジェ=同館提供

 新型コロナの感染が広がった昨春、芸術を通じた支援の形を模索していたケザンさんが真っ先に思い付いたのは、日本で大きな影響を受けた千羽鶴だった。
 「1羽1羽に作った人の願いが込められている千羽鶴のように、多くの人に制作に関わってもらい、実際に形になった作品を見て、支援に貢献していることを実感してもらえたら」

◆平和、連帯を象徴するハト

 昨年6月から「オリガミ・フォー・ライフ」と名付けたプロジェクトをベルギーで複数開催。寄付金は医療従事者らへの支援に回し、大きな反響を集めた。
 その成功を知った仏大手エネルギー会社エンジーの関連財団と、1937年パリ万博で建てられた「パレ・ド・トーキョー(東京宮殿)」に入居するパリ市立近代美術館が開催を打診。「パリで折り紙の芸術を展開するのに理想的な場所」と、二つ返事でOKした。
 「冬に行うプロジェクトなので、温かく過ごすことができない人たちを支援したいと考えた」。折り紙の題材をツルではなくハトにしたのは、よく知られた「平和」の他に「連帯」の象徴でもあるから。そのハトで「生命」を象徴する木を作ることで、弱者支援のメッセージを込めた。

完成したオブジェの前でパリ市立近代美術館のスタッフらと話し合うシャルル・ケザンさん=同館提供

◆2月末まで郵送受け付け中

 A4の色紙や古雑誌などを材料とする折り方を動画で紹介。年初から郵送で折りハトを募集し、約3万羽が集まった1月末に第一弾として約3万ユーロ(約385万円)を支援団体に寄付した。ハトは2月末まで受け付けており、スタッフらが1本あたり数千羽を使って最大で高さ7・5メートル、幅4・5メートルの木をこれまでに8本設営した。現在は感染対策で閉館中のため、完成した木はホームページで公開しているが、再開時には一般公開を予定している。
 コロナ禍前はほぼ毎年来日していたというケザンさん。「渡航できるようになった時には、折り紙の本場の日本でプロジェクトを開催したい」と願っている。
   ◇
 ハトの折り方はホームページや動画(下)で公開している。材料は通常の折り紙ではなく、欧州で手に入りやすいA4サイズの紙を使う。環境に配慮し、コピー用紙ではなく使いかけの色紙や古雑誌などを推奨している。日本からも郵送可能。締め切りは2月末までだが、国際便の関係で多少遅れても受け付ける。
★郵送先
 《Origami For Life》 Palais de Tokyo, 13 avenue du Président Wilson, 75116, Paris, France

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